宇都宮徹壱ウェブマガジン

宇都宮徹壱ウェブマガジン「ただ今準備中!」8月後半戦(編集部・森衿子)

 お盆休みの方も多いこの時期、皆様は夏休みをどうお過ごしでしょうか。私は4年ぶりに開催された地域の盆踊りに出かけてきました。最近の盆踊りは音楽も多種多様で、DJが参加するものもありますが、私が出かけた盆踊りは東京都内でも大規模な盆踊りが催されるほど人気の、大阪発祥の伝統的な河内(かわち)音頭でした。河内音頭は「洋楽と浪花節が融合した語り芸」と言われており、決まった楽譜や歌詞がない中、「音頭取り」が即興で事件や伝記などを組み立てて場を踊らせるという、いわば盆踊りの「司令塔」。その見事な采配ぶりに酔いしれた夜でした。

 盆踊りと地域フットボールの親和性については、WMでも「音楽✕サッカー著者対談 『盆踊りの戦後史』大石始 『フットボール風土記』宇都宮徹壱」として採り上げたこともありますので、未読の方はこの機会にぜひお読みいただければ嬉しいです。

 さて、熱戦に次ぐ熱戦、死闘PK戦が繰り広げられる女子ワールドカップも遂に4強が決定。アジア枠からオーストラリアが残り、イングランド、スペイン、スウェーデンの4カ国が女王の座を賭けて戦います。

 日本代表のなでしこはご承知の通り、ベスト8で戦いを終えました。海外クラブ在籍中、あるいは在籍経験のある選手も半数近くおり、体格差のある相手にも臆することなく挑んでいく姿勢が素晴らしかったです。大会後、新たに海外へ飛び立つ選手も必ずや出てくると思いますが、個の力をさらに高め、頂点に立つために足りなかったピースを埋めれば、再びワールドカップ優勝もできる可能性を感じました。そのためには「足元」のWEリーグも応援せねば、ですね。

 それではWM8月後半戦の予告です。第3週は、その女子ワールドカップがテーマ。現地観戦をしている3人の方々に、それぞれの視点からお話を伺います。まず、オーストラリアのブリスベン在住のライター、タカ植松さん。ゴール裏から声を枯らして応援していたちょんまげ隊長ツンさん。そして『女子サッカー140年史』を翻訳された実川元子さん。今大会の位置付けや価値について、3者3様の視点から紐解いていきます。8月20日の決勝戦を前に、ぜひお読みいただきたいと思います。

 そして第4週は、12月に発売される新著に関連する新連載がスタート。本書の内容がそうであるように、その企画のスタートから取材・執筆の経緯もまた、非常に怒涛の展開でした。わずか2ページの「あとがき」では収まりきらない、これらの物語を新連載では明らかにしていきます。まだタイトル未定で、どのようなエンディングを迎えるのかもわからない、WMの新連載。新しい書籍の発売までの間、ぜひお楽しみいただければ幸いです。

 最後に宇都宮の近況を。書籍を脱稿し、現在は各方面での確認作業やデザイン入れの打ち合わせに追われておりますが、8月下旬からは、天皇杯準々決勝に併せて北信越地方の取材を予定しております。 また、連載中の『地方創生から見た「Jリーグ30周年」』ですが、今治篇が公開され、愛媛篇も間もなく公開予定です。

 猛暑続きで、台風も次々と訪れる8月ですが、どうぞ皆様ご安全にお過ごしください。WM8月後半戦もご愛読賜りますよう、よろしくお願いいたします。

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