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プロサポーターが考える北中米ワールドカップの楽しみ方 村上アシシ(ビジネスコンサルタント・著述家)<2/3>

代表戦の常連だった僕がゴール裏を離れた理由を話します 村上アシシ(ビジネスコンサルタント・著述家)<1/3>

 

※TOPの写真は村上アシシさんにご提供いただきました。

YouTuberのコハロンには「若干嫉妬する部分があった」

──ここからは、プロサポーターとしての活動について聞かせてください。次のワールドカップは48カ国が出場ということで、アジアの出場枠も8.5に拡大されます。一方で今回のアジアカップのように、地上波で予選の試合が見られなくなるということが常態化するリスクも考えられる。ふたつの点で、今回のアジア予選は非常に盛り上がりに欠けたものになりそうですが。

村上 かつてのアジア予選のようなヒリヒリ感は、もはや望むべくもないでしょうね。地上波での放映も限られるとなると、サポーターとしては(ワールドカップ)本番以外の楽しみ方というのは、すごく限られたものになるでしょう。でも、ワールドカップを現地で楽しみたい人にとっては、「本大会に出場できないかも?」と心配する要素がなくなって、逆に好都合になったんではないかと思います。

──アジアカップで優勝していれば、より楽観できたでしょうけどね。アシシさんに替わって、アジア予選のアウェイ全部を現地観戦するような後輩サポーターはいるんでしょうか?

村上 どうでしょうね。若手は育っているとは思いますし、現地発のレポートなんかもたまに見ますけれど、すごい大物が出てきているかというと……。僕の路線とは毛色が違いますが、カタールの時にアンバサダーをやっていたYouTuberコハロンはすごいですよね。彼のカタールでの活躍ぶりは、僕も若干嫉妬する部分があったんですけど(笑)、FIFA公式からYouTuberにオファーがいったというのは、あらためて「時代が変わったな」と思いました。

──アシシさんと四方健太郎さんが、2010年の「世界一蹴の旅」をやっていた時、たまに動画コンテンツを上げていましたけれど、今ほど発信手段として主流ではなかったですよね。

村上 そうなんですよ。当時はまだ「YouTuber」なんて言葉もなかったし、動画でマネタイズするというのも今ほど確立されていませんでしたからね、逆に今は、動画でやってくんだったら、ほとんど毎日アップしなければならないし、そのためのスタッフも雇わなければならない。今、活躍しているYouTuberも裏では大変だと思いますよ。

──話をプロサポーターの活動に戻しましょう。2026年ワールドカップも、あと2年となりました、すでにいろいろ準備は進んでいるんでしょうか?

村上 準備はしていますね。過去の大会でいうと、2014年からKindleでガイドブックを作って、2018年からオンラインサロンをやって、2022年はオンラインサロンを継続しつつガイドブックはKindleからnoteに替わりました。ただ、いずれも本番直前でバッタバタだったんですよ。ですから今回は、カタール大会が終わってすぐに、オンラインサロンを立ち上げたんです(参照)。

──なるほど。とはいえ大会が終わった直後となると、なかなか4年後をイメージするのは難しいんじゃないですかね?

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