国立開催のこと、神楽しまねのこと、そしてシーズン移行のこと 加藤桂三理事長に訊く「四半世紀を迎えたJFLの今後」<1/3>
今週は、こちらのイベントのアンサー企画。3月22日の東京・高円寺のKITEN!でのトークイベントで語られた、JFLに関するさまざまな疑問点。それらをJFLの加藤桂三理事長にぶつけようという、当WMならではの試みである。
カズが去ってからの入場者数、15チームとなった今年のリーグ戦、FC神楽しまねの消滅、そしてJFLの存在意義とシーズン移行問題。さまざまな課題や矛盾を抱えながら、JFLは25年目のシーズンがスタートしたわけだが、この興味深いリーグを取り上げるメディアは相変わらず少ない。理由はもちろん「数字が取れない」からだ。
数字はもちろん大事だが、数字が取れないテーマにも大事なものはある。そんなわけで、JFLの加藤理事長にインタビュー取材を依頼。この人とは付き合いが長いこともあり、ふたつ返事で引き受けていただけでなく、答えにくい質問にも誠実に回答していただいた。この場を借りて、あらためて御礼を申し上げたい。(取材日:2023年4月17日@東京)
■「4.9@国立」での1万1150人をどう評価するか?
──今日はよろしくお願いします。JFLのことを取り上げるメディアが、最近は非常に少なくなったので、こうして取材の機会をいただくこととなりました。
加藤 いつもありがとうございます(笑)。
──こちらこそ(笑)。まずは4月9日に国立競技場で開催された、クリアソン新宿vsブリオベッカ浦安について伺いたいと思います(参照)。JFLの国立開催は昨年もありましたけれど、あの時の相手はカズが所属していた鈴鹿ポイントゲッターズ。今回は、一般的な知名度のある選手がいないなか、それでも1万人超えで歴代14位の入場者数を記録しました。今回の国立開催に関して、加藤さんの評価はいかがでしょうか?
加藤 話の前提として、なかなかこの時期は国立を使わせてもらえない、という状況があります。去年のJFL開催も、東京都サッカー協会にいろいろお願いして、ピンポイントで「この日なら」ということで決まったんですよね。
──ということは、クリアソンの相手が鈴鹿というのは、偶然だったと。「カズがいるから」という理由ではなかったんですか?
加藤 違います。あれは本当にたまたまで「秋に開催するんなら、このあたりで」「だったら鈴鹿戦だね」という流れだったと思います。少なくともクリアソン側から「鈴鹿との試合に当てたいので、この日に国立を使わせてください」と言える立場ではなかったはずです。
──偶然とはいえ、たまたまカズがJFLにいる時に国立で開催できてよかったですね。
加藤 去年はクリアソンという「新宿からJを目指す」クラブが、JFLに昇格して1年目だったということ。そして国立競技場が新宿区にあるのに、なかなか区民の皆さんがスタジアムで観戦する機会がなかったこと。そこにカズ効果が重なって、1万6218人というJFL史上最多の入場者数を記録することができたんですよね。ちなみにあの時は、半分くらいが有料入場者だったので、しっかり黒字を出せたそうですよ。
──つまり、8000人くらいが有料だったと。Jリーグのファンからすると「たった半分?」と思われるかもしれませんが、JFLで有料入場者が半分というのはかなりいいほうですよね。2割くらいという話も聞いたことがありますから。
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