宇都宮徹壱ウェブマガジン

瀬戸内の「アートの島」で鹿島アントラーズを想う 知られざる観光スポット「直島」との意外な共通項

 日記にも書いたとおり、先週は取材と旅行で1週間ほど旅を続けていた。大阪と広島で取材して、その間に岡山でカミさんと落ち合い、2泊3日のささやかな家族旅行を楽しんだ。取材で何度も訪れている岡山だが、観光するのは今回が初めて。観光スポットとして思いつくのは、岡山城と後楽園、少し足を伸ばして倉敷といったところだろうか(このうち倉敷は、この機会に訪れてみた)。

 そんな中、今回の旅で最も楽しく、印象に残ったのが「直島(なおしま)」。瀬戸内海に浮かぶ、人口3000人足らずの小さな島で、実は香川県に属している(ただし距離的には岡山のほうが近い)。今週は、この直島の魅力と、そこで考えたことについて書こうと思う。

 一見すると「フットボール的でない」テーマを選んだ理由は3つある。

 まず、岡山のアウェイ戦に行く人にお勧めしたいと思ったこと。次に、直島の「地方創生」の戦略がユニークで興味深いものであったこと。そして、最近取材したJクラブのホームタウンと重なる部分が多かったこと。観光案内の要素を盛り込みつつ、最後はしっかり「地域とサッカー」というテーマに収斂させていくことにしたい。

 直島へのアクセスは、宇野港が起点となる。岡山駅からは、鉄道であれば瀬戸大橋線と宇野みなと線を乗り継いで49分、バスならば1時間で宇野駅にアクセスできる。駅から徒歩5分ほどの距離に宇野港があり、そこから定期的にフェリーが出ている。およそ20分で直島の宮浦港に到着。草間彌生の巨大なかぼちゃの作品が旅人を迎えてくれる。観光用のバスが頻繁に出ているので、移動にストレスを感じることはない。自転車のレンタルもある。

 こちらの動画にも紹介されているように、島の至るところにアート作品が展示されている。細い路地を歩いていると、いきなり屋外彫刻に出くわしたり、古民家を改装したギャラリーがあったり。人の暮らしの中にさりげなくアートが重ねられていて、美術の知識がない人でも十分に楽しめる。地元の食材を生かした飲食も美味しい。ファジアーノ岡山とのアウェイ戦が日曜にあるとしたら、前泊して土曜日に直島観光をしてみてはいかがだろうか。

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