宇都宮徹壱ウェブマガジン

目的は「ユニバーサルデザインとオリジナリティの共存」 Jリーグオフィシャルネーム&ナンバー「自由化」の回答

 今週は皆さんから質問を募った、Jリーグオフィシャルネーム&ナンバー(以下、Jリーグ統一フォント)「自由化」について、Jリーグからの回答をお伝えすることにしたい。

【1/16〆切】Jリーグオフィシャルネーム&ナンバー「自由化」についての質問を募集します!

 Jリーグでは2021年シーズンより、全クラブのユニフォームのネームとナンバーについて、視認性を高めることを目的としたJリーグ統一フォント(書体名「J.LEAGUE KICK」)を導入。ところが2024年シーズンから、Jリーグ統一フォント以外のネームとナンバーも認めることが発表された。この急転直下の決定に、戸惑いを覚えるファン・サポーターも少なかったのではないか。

 再びクラブ独自のフォントやナンバーが使えるのは、ファン・サポーターにとっては確かに朗報であろう。しかし一方で、Jリーグ統一フォントの視認性の高さについては誰もが認めるところ。「せっかく慣れてきたのにもったいない」とか「なぜこのタイミングで『自由化』なのか?」といったSNSでの書き込みも散見された。

 Jリーグがどれだけ認識していたのかは不明だが、毎年のようにレプリカユニフォームを購入するファン・サポーターにとって、来季のフォントやナンバーがどうなるかというのは、非常に重要な問題。やはり、きちんと納得できる説明がほしいところだ。そこで当WMでは、皆さんから寄せられた質問を集約してJリーグに提出。担当部署(商品化事業部)からいただいた回答をもとに、インタビュー形式に再構成したものが本稿である。

 最後に、質問をお寄せいただいた皆様、そしてご対応いただいたJリーグ広報部および商品化事業部の皆様、ご協力ありがとうございました。

──今回の発表については歓迎の声がある一方、「視認性は明らかに良くなったので続けてほしい」という意見もあります。自由化以降も視認性についてJリーグで許可制とする、もしくは事前にルールを整備することはお考えでしょうか?

【回答】視認性の確保は、引続きのテーマと考えています。2024年シーズン以降、現在のJリーグ統一フォント以外のオリジナルフォントの使用を希望するクラブに対しては、J.LEAGUE KICKの開発の際に得た知見をもとに、ユニバーサルデザイン観点における確認ポイントを提示して、クリアしたものを使用いただくことで視認性を維持していきたいと考えます。

──「視認性向上」が目的だったものを自由化するのは、それまで独自フォントを長年使用していたクラブのアイデンティティを損なうものではないでしょうか?

【回答】ユニバーサルデザインを取り入れたことで、観戦者の皆様に一定レベルの観戦・視聴環境を提供できたと考えています。2024年シーズン以降について、現状のJリーグ統一フォント以外のクラブオリジナルフォントを希望するクラブにおいては、J.LEAGUE KICKの開発の際に得た知見をもとに、いくつかのチェックポイントをクリアしたフォントを使用いただく形になります。今後もユニバーサルデザインの維持と浸透を図りつつ、「視認性向上」と「オリジナリティ」とが共存できる形に進化することを願っています。

(残り 1592文字/全文: 2930文字)

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