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降格を受け止めたら『クラシコ』を観てほしい! 「あの時代」を知らない山雅サポに伝えたいこと

 松本山雅FCJ3降格を知ったのは、地域CL決勝ラウンド最終日を取材していた時であった。第2試合のFC.ISE-SHIMA対おこしやす京都ACが13時30分キックオフ。SC相模原対山雅の試合は13時キックオフ。すなわち30分のタイムラグがあった。西が丘の試合がスコアレスドローに終わった時、すぐさまスコア速報をチェック。アディショナルタイム6分での相手のオウンゴールで、アウェーの山雅が11の同点に追いついたことを知る。

 山雅の命運は、14時にキックオフを迎えていた、ツエーゲン金沢が握っていた。19位の金沢がモンテディオ山形に対し、勝ち点を1つでも積み重ねたら山雅の降格が決まる。こちらは後半45分の時点で11。アディショナルタイム3分、瀬沼優司の決勝ゴールが決まり、3ポイントを加えた金沢は17位に浮上。山雅と愛媛FCJ3降格が決まったのは、地域CLの表彰式が粛々と行われている最中のことである。

 その日の夜、Twitterのスペースにて「J3スペースに思うこと。#スペース山雅」に耳を傾ける。内容については、ここで多くを語るわけにはいかないが、ひとつだけ。ある山雅サポが、AC長野パルセイロのことを「P(ピー)」と表現していたのが、非常に気になった。さながら「G」みたいに、口に出すのもおぞましいということか。ふと「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」という『翔んで埼玉』のセリフを思い出してしまった。

 それにしても山雅降格の報を、地域CL、それも決勝ラウンドの取材現場で知るというのは、何とも因縁めいたものを感じる。今から12年前、2009年大会の決勝ラウンドは、アルウィンで開催された。12月6日の大会3日目、金沢はYSCCに11からPK戦負け(13人が蹴り合う壮絶な内容だった)。山雅は日立栃木ウーヴァ(現・栃木シティFC)に21で勝利。この結果、1位の山雅と2位のウーヴァはストレートで、3位の金沢はFC刈谷との入れ替え戦を経て、それぞれJFL昇格を果たしたのである。

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