宇都宮徹壱ウェブマガジン

今こそ語ろう、ライセンスと応援の考え方 丸山和大(クリアソン新宿代表)<2/3>

今こそ語ろう、ライセンスと応援の考え方 丸山和大(クリアソン新宿代表)<1/3>

ライセンス交付後のハレーションの受け止め方

──いよいよJ3ライセンス交付について伺いたいと思います。私は「特例」という部分に注目していて、クリアソン側の継続的な努力とアピールが奏功したのはもちろんですが、Jリーグ側に考え方の変化があったことも見逃せないと考えています。その点について、丸山さんの見立てはいかがでしょうか?

丸山 日本サッカー界の大きなベクトルとして「世界とどう戦い、どう勝利するか」というのがあると思うんです。これには、去年のワールドカップ・カタール大会での日本代表の躍進、それから浦和レッズのACL優勝などが契機となっていたと思います。当然、Jリーグもそれを意識せざるを得ないわけで、今まさに議論されているシーズン移行についてもそうですよね。

──それともうひとつ、トップリーグに所属するクラブの経営規模が大きくなることも、野々村チェアマン体制になってから繰り返し語られています。

丸山 そのひとつの施策が、去年から続いている国立競技場でのホームゲーム開催だったと考えます。関東以外のクラブでも、国立でホームゲームを開催して1万人無料招待することで、JリーグID登録者とサッカーファンを増やしていく。そうした中で、Jリーグとしても「東京23区内をホームとするクラブ」の存在について、具体的にイメージするようになったんだと思います。

──そして、国立で2年連続開催したクリアソンの存在がクローズアップされた。そう考えると、つじつまが合いますよね。

丸山 正直なところ、僕らとしてはライセンス交付まで、もう少し時間がかかると思っていました。去年は残留争いをしていましたが、今年は上位争いに絡んでいましたし、Jリーグ側でもそうした機運が高まっているのが感じられました。Jリーグも戦略として「首都圏にビッグクラブがほしい」という思いを持っているようですし、そうした背景が今回のライセンス交付につながったのではないかと僕は捉えています。

──ただ、決まった時のSNSでのハレーションがすごかったじゃないですか。丸山さんもけっこうショッキングだったのでは?

丸山 真摯に受け止めました。と同時に、ある程度は想定していたのも事実です。僕らがやっていることって、全員が賛成できるものではないですから。ライセンスに関しては、スタジアムで苦労されている先輩クラブが多いことは、もちろんわれわれも認識しています。そうしたなかで(J3昇格の)土俵に乗せていただけたことについては、われわれも謙虚に受け止めなければなりません。

(残り 2553文字/全文: 3671文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ