宇都宮徹壱ウェブマガジン

ハーフウェイクラブの「当たり前」となるか? 栃木と市原の突破を促した「持続可能な経営」

 私にとって、シーズンを締めくくる重要な大会と位置づけている、地域CLが閉幕した。連日のフォトレポートでお伝えしたとおり、今大会は栃木シティFCが優勝してJFL昇格を決め、準優勝のVONDS市原FCがJFL15位の沖縄SVと一発勝負の入れ替え戦を戦う。

 前回大会も栃木は決勝ラウンドに進出していたが、3位に終わってしまったために昇格ならず。年が明けてからFC神楽しまねの退会が決まり、今季のJFLは15チームでの開催となった。もしも同クラブの問題が、昨年のうちに決着していれば、3位でも昇格のチャンスはあったかもしれない。その意味でも今回の栃木の優勝は、実に感慨深いものがあった。

 もう忘れている方もいるかもしれないが、栃木にとってJFLは「目指す場所」であると同時に「戻るべき場所」でもあった。日立栃木ウーヴァSC時代の2009年、彼らはアルウィンで行われた地域決勝の決勝ラウンドで2位となり、見事にJFL昇格を果たしている(優勝は松本山雅FC、3位のツエーゲン金沢はFC刈谷との入れ替え戦を制して昇格)。

 2010年からは栃木ウーヴァFCと改称し、JFLを8シーズン戦うも、すべて2桁順位に終わって2017年に関東1部に降格。2018年より、日本理化工業所代表取締役社長の大栗崇司氏がクラブ代表に就任し、翌19年に現在の栃木シティFCとしての活動をスタートさせている。

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