宇都宮徹壱ウェブマガジン

逆になった「2つの大切な大会」に思う 私にとっての地域CLとワールドカップ

 地域CLが終わった。そして、ワールドカップが始まる。

 何とも奇妙な感覚である。というのも、2018年も2014年も2010年も2006年も、ワールドカップのあとに地域決勝があったからだ。4年に一度のフットボールの祭典には、歓喜もあれば絶望もあったが、総じて「世界との距離感」や「世界の広がり」といったものを目の当たりにして、さまざまな思いをめぐらせながら帰国の途につくこととなった。

 やがて新しい日本代表監督を迎える中、季節は夏から秋に移ろい、全社や地域決勝が始まる。ワールドカップの世界観とは180度異なる、ごく身近でドメスティックなフットボールの風景。もちろん競技レベルは異なるものの、見るものに与える感動は何ら変わるところはない。いずれにせよ、私の中では「ワールドカップ→地域決勝(CL)」というのが、ごく自然な流れだった。

 ところが、今回は「地域CLワールドカップ」。しかも地域CLの1次ラウンドが終わったら、カタールに向けて気持ちを切り替えなければならない。加えていえば、私にとって海外取材は2019年12月の韓国以来、実に3年ぶり。すっかり国内限定の取材スタイルが染み付いてしまったので、かつてない不安を抱えながら旅支度を進めている。

 そんなわけで本稿では、記憶が鮮明なうちに群馬での1次ラウンドを振り返りつつ、目前に迫ったカタールでのワールドカップ取材についても、現時点での思いを記すこととしたい。

(残り 1752文字/全文: 2355文字)

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