「オセアニアの侍」との出会いから生まれた野心 ロング・アフターワード(長いあとがき)<2/8>
「宇都宮さん、僕、フットボールに復帰しました! 昨日、ハミルトン・ワンダラーズの試合で出場することができたんです!」
興奮したような息づかいが、電話口からはっきりと聞こえる。声の主は、私が「オセアニアの侍」と命名した松本光平。私が構成を担当した『前だけを見る力 失明危機に陥った僕が世界一に挑む理由』の著者であり、主人公である。
当WMでは、この作品の一部を無料公開している。
また、会員向けの解説はこちら。
不慮の事故によって、右目は失明状態、左目も極端に視力が落ちてしまった、松本光平。しかも国外(ニュージーランド)で世界中がパンデミックの恐怖に覆われていた、2020年5月のことであった。最後にプレーした公式戦は、この年の3月15日に行われたタスマン・ユナイテッド戦。その後、ニュージーランドの国内リーグは、コロナ禍により長い中断期間に入る。そして公式戦復帰が今年の8月5日だから、実に3年3カ月ぶりにピッチに戻ったこととなる。
今月からスタートした「長いあとがき」の第2回。そのイントロダクションに松本光平を登場させたのは、この人との出会いがなければ、今回の書籍は生まれなかったと考えるからだ。どういうことか?
実は12月の新著は、前作『前だけを見る力』のリベンジという位置付けとなっているのである。
(残り 4391文字/全文: 5146文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ