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体育会系特有の「なあなあ」を排する村井改革 日本バドミントン協会の新体制から見えるもの

 今週の日曜日(618日)、非常に興味深い会見が行われた。といっても、今話題のキャンドル・ジュンさんではない。公益財団法人日本バドミントン協会(以下、BJ)の「新会長・新副会長及び新理事、新監事による就任記者会見」である。前Jリーグチェアマンの村井満さんが、不祥事が相次いだBJの会長を引き受けた経緯については、以前のコラムで書いたとおりだ。

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 バドミントンについては門外漢である私が、なぜこの会見に参加したかといえば、もちろん新会長に就任した村井さんがターゲット。現在、準備している書籍では、村井さんがJリーグチェアマンの任にあった8年間をメインテーマとしており、今回の取材はその「答え合わせ」が目的だった。果たして新会長は、BJでどのような組閣をするのだろうか。

 以下が、刷新されたBJの理事と監査役のリスト。いずれも2023618日付での就任で、会長と副会長以外、すべて新任である(カッコ内は所属)。

理事

村井満 代表理事・会長(公益財団法人日本バドミントン協会)

朝倉康善 代表理事・副会長(公益財団法人日本バドミントン協会)

池田信太郎 理事(公益財団法人日本バドミントン協会アスリート委員会 委員長、Splat株式会社 代表取締役)

井本直歩子 理事(一般社団法人 SDGs in SPORTS代表理事)

引頭麻実 理事(東京ガス株式会社 社外取締役)

大塚則子 理事(監査法人フロンティアパートナークラウドパートナー)

小坂準記 理事(TIM総合法律事務所 弁護士)

竹内美奈子 理事(株式会社TM Future代表取締役)

早坂真有美 理事(株式会社Jストリーム執行役員 プラットフォーム本部長)

原田宗彦 理事(大阪体育大学 学長)

監査役

小国久美 監事(公益財団法人日本バドミントン協会)

河合明弘 監事(養和監査法人 代表社員)

木下健児 監事

 新会長を除けば、サッカーファンに馴染みのある名前はひとつもない。この中でJリーグと関わりがあったのは、2016年から22年まで監事を務めていた大塚氏のみ。元アスリートは、バドミントンの池田氏と競泳の井本氏だが、それ以外はバドミントンを含む競技との直接的なつながりはない。

 この人事からわかるのは「内輪感ゼロ」であること。つまり「お仲間人事」の匂いが微塵も感じられないことだ。それでいて、村井さんのブラインドサイド(死角)を埋める人材の配置には、細やかな配慮が見られる。バドミントンの門外漢ではあるものの、村井マネジメントについてはみっちり取材してきた立場から、今回の興味深い人事について考察することにしたい。

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