村井満Jリーグチェアマンの再任について考える JFA会長選挙とはまったく異なる厳格なプロセス
先月30日、Jリーグの村井満チェアマンの再任が決まった。2014年の就任以来、これで4期目。任期は2年後の2022年までとなる。先にJFAでも田嶋幸三会長の再任が決まっており、日本サッカー界は次のワールドカップ・イヤーまで田嶋会長と村井チェアマンの時代が続くことになる。政治の世界と同じで、対抗馬となり得る優れた人材がいなければ、体制が維持されるのは必定。ただ一方で気になったのが、田嶋会長の時と比べると村井チェアマンの再任が、あまり大きなニュースにはならなかったことだ。
実のところ私は、2020年代のJリーグは、新チェアマン就任と共に始まるのではないかと考えていた(後継者に誰をイメージしていたかは、ここではあえて触れない)。村井チェアマンとは、先月に開催されたYFFF(ヨコハマ・フットボール映画祭)に来場されていた時、いろいろお話をさせていただく機会があった。その時のチェアマンの印象は、いつも以上に柔和で、まるで憑き物が落ちたように感じられた。そこで私は「あ、これは後継者が決まったんだな」と密かに確信していたのである。
ところが1月30日に行われた理事会で、役員候補者選考委員会から次期チェアマン候補者として答申したのが、現職の村井氏。理事会も答申を支持し、3月12日に開催する定時社員総会の理事選任議案に含めることを承認した。これにより、村井氏のチェアマン再任が内定。確かに予想は外れたが、決定そのものについて異論はない。異論はないのだが、候補者選定のプロセスがJFA会長と比較にならないくらい厳格だったことは、この時に初めて知った。おそらくは、多くのサッカーファンも同様だったのではないか。
まず、次期チェアマン候補者に村井氏を選んだ、役員候補者選考委員会について説明しよう。同委員会は、以下の8名によって構成されている。
・野宮拓(委員長、弁護士)
・藤沢久美(社外理事、シンクタンク・ソフィアバンク代表)
・大塚則子(社外監事、大塚則子公認会計士事務所代表)
・野々村芳和(J1実行委員会、株式会社コンサドーレ代表取締役社長兼CEO)
・水谷尚人(J1実行委員会、株式会社湘南ベルマーレ代表取締役社長)
・沼田邦郎(J2実行委員会、株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック代表取締役社長)
・岩瀬浩介(J3実行委員会、株式会社ブラウブリッツ秋田代表取締役社長)
・武田信平(有識者、株式会社川崎フロンターレ前会長)
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