J3の「2024年問題」をどう考えるべきか? 2016年のDAZN契約時の当事者に聞いてみた
3月30日、Jリーグファンの間に衝撃が走った。
この日、JリーグはDAZNとの新たな契約内容を発表。これまでの2017年から2028年までの12年間で約2239億円の放映権契約の見直し、新たに2033年の11年間で約2395億円という放映権契約を締結した(いずれもレベニューシェアを含む)。
1年の契約でならせば、186億5800万円から217億7300万円で、31億1500万円の増額。それ自体は歓迎すべきことであろう。注目すべきはJ3の扱い。DAZNはJ3の放映権を手放し、これをJリーグが引き取るという形になったのだ。
つまり、来年からはDAZNでJ3を視聴することができない。となると、これはJ3の「2024年問題」と呼ぶべき事案ではないだろうか。
この件について、野々村芳和チェアマンは「J3全試合を観られる環境を整えることは保証します」。ただし「どこでどう視られるかは、これから考えていきます」とも。この発言から透けて見えるのは、J3の放映権をJリーグが引き取るという前提のもと、DAZNとの新たな契約が進められた可能性が高いということだ。
実は2016年、DAZN(当時はパフォーム・グループ)と交渉するにあたり、Jリーグが交渉金額と期間、そして著作権と共に重視していたのが「J3も含めて全試合をDAZNで配信すること」であった。Jリーグというコンテンツを普及させるためには、J3もしっかりファンに届けることが重要と、当時の上層部は考えていたという。7年前の状況について振り返っていただいたのは、こちらのインタビューでもお世話になった、株式会社小西FCの小西孝生さんである。
なぜDAZNはJ3を手放し、Jリーグはそれを受け入れることにしたのか? そして2024年以降、われわれはJ3の中継映像を視聴することができるのだろうか? JリーグとDAZN、双方の状況をよく知る小西さんに語っていただいた。
今回の契約は、JリーグにとってもDAZNにとっても悪くない内容だと思います。
最初の契約では、2017年から26年までの10年間で2100億円という放映権料でしたよね。その後、2020年にコロナの中断期間で契約の見直しがあって、2028年までの12年間で約2239億円に。そして今回、5年プラスで2033年までとなり、11年間で2395億円となったわけです。1年でならすと、最初が210億円、次の2年を加味した12年平均では186.6億円まで下がりました。今回の契約では、さらに5年を加味した17年平均で、最初に契約した平均金額まで戻すことができたわけです。
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