宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料記事】中村慎太郎 Jリーグ百年構想の向こう側へ vol.4 対談いぬゆな氏「Jリーグよ、俺たち色に染まれ!」

■Jリーグよ、俺たち色に染まれ!

 いぬゆな氏との前後編の対談を振り返ってみると、やや「お役所感」があるJリーグの現状を、暖かみがある状態にすることを求めていくべきだと総括することができる。それはつまり、Jリーグをサポーター色に染めていくことこそ、我々が求めていることなのだ。もちろんサポーター色に染まり切っても問題が生じるかもしれないが、少なくとも旧J’s Goalのような自由にサポーター色に染められる場所があってもいいのではないか。

 今はインターネットがすっかり当たり前になった世界である。少し前まではサイエンスフィクションと言われていた世界になった。SF作品によっては、コンピューターが支配する世界は、非常に冷淡なものとして描かれていることもある。しかし、現実にネット社会が世界を覆った時、我々人類が求めたのは人間らしい暖かみであった。

 単に情報を出すだけでは駄目で、そこに人間らしさが介在しないと、我々は不愉快さすら感じるようになった。今のような情報の出し方では、Jリーグに親近感を覚える人が増えていくとは思えないし、炎上騒ぎも断続的に続くだろうと思う。

 そういった観点を踏まえて、サポーター皆様から頂いた貴重なご意見を元に、取材申請をしてみようと思う。ぼくは記者として活動したことはないので、取材申請なるものをした経験がないのだが、徹マガ主筆の宇都宮徹壱氏がやり方を一から教えてくれるとのこと。というか、「慎太郎! Jリーグに突撃してこい!」と、けしかけた……もとい、提案してくれたのは何を隠そう徹壱さんなのである!

 宇都宮さんの「突撃命令」によって始まったこの連載は、漠然とした観念論から始まった。しかし、続けていくうちに、少しずつ戦うべき「敵」の姿が明確になってきたように思う。「敵」とはつまりJリーグとサポーターの対話がない現状であり、敵を倒すために必要なものは対話のためのツールである。

 その1つが、J’s Goal!!

 まず、J’s Goalが今までどれだけ重要であったのかをもう少しよく学んだ上で、今後のJ’s Goalをどうしていくのかを考え、提案することを1つの柱としたい。

 というわけで、今回も読者の皆様のお知恵を拝借したい。ぼくは比較的新しいJリーグクラスタなので、旧J’s Goalの良さについては正直言って肌感覚として掴み切れていないところがある。なので、「J’s Goalのこんなところが良かった」という御意見と「これからのJ’s Goalはこうなって欲しい」というような具体的な提案があれば、是非寄せて頂きたい。

 ご意見の送り先は、徹マガ(tetsumaga@gmail.com)に送っていただくか、ぼくのブログ「はとのす」(http://shintaro-hato.com/)、いぬゆな氏のブログ「INUUNITED」( http://inuunited.com/)においても、後日ご意見を募集するので、そちらをご参照頂きたい。

 また、この対談記事に収まり切らなかった内容についても、それぞれのブログで紹介することを検討しているので、後日ご参照頂ければ幸いである。

●中村慎太郎(なかむら・しんたろう)

東京生まれ、東京育ち。東京大学農学生命研究科で水産学の研究に従事した後、作家活動を始める。ふらっと初観戦したJリーグの試合に見せられ、以降全国のサッカークラブを観光しながら訪ね歩いている。今のテーマは、気楽なサッカーツーリズム。デビュー作の『サポーターをめぐる冒険 Jリーグ初観戦をした結果思わぬことになった』(ころから)が、第2回サッカー本大賞を受賞。徹マガにも2回登場(通巻173号&206号)。

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