宇都宮徹壱ウェブマガジン

カンボジア戦のハーフタイム、なんで揉めてたんですか? ハト澤対談vol.2

12248769_926467180768769_1719542424_n写真提供:中村慎太郎(以下すべて同じ)

サッカー本大賞受賞作家・中村慎太郎さんと、徹マガ編集長の澤山大輔が、時事ニュースについて即興で対談してお送りする本企画、「ハト澤対談」の2回目をお送りします。ハトというのは、中村慎太郎さんのブログ「はとのす」にちなんだネーミングです。今回は、カンボジア代表対日本代表の試合ハーフタイムショーをめぐった行き違いから、カンボジアと日本の文化の違い、さらには平均年齢24歳というカンボジアの国内事情についても言及していきます。(収録日:2015年11月19日)

■勝利だけが救い? 2015年のラストマッチカンボジア戦で浮き彫りになった日本の課題 – スポーツナビ http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201511180003-spnavi

澤山大輔(以下、澤山) ということで中村さん、カンボジア取材お疲れ様でした! なかなか楽しそうで羨ましかったです。なんか後で聞いたんですが、twitterで植田朝日さんと峰麻美さんとの間で若干トラブルがあった感じなんですか? 僕は新橋の某所で、居残り組のサッカー関係者と一緒に試合観ていてソーシャルは全然チェックしてなかったのと、ハーフタイムには席を立っていてそもそもテレビで映っていたかもわからなかったんですけど。

中村慎太郎(以下、中村) そもそも今回のカンボジア戦なんですが、Jリーグでは主にゴール裏席に作られる応援の中心地がメインスタンドのド真ん中にあったんです。ウルトラスが太鼓を叩いているところの後方に貴賓席がありました。その隣が記者席です。アウェーのはずの日本人サポーターをかなり優遇している感じでした。ハーフタイムにはショーが行われましたが、こういうのも代表戦では普通やらないらしいのですが、この日は日本語と現地のクメール語と両方でアナウンスしながらイベントが行われました。その司会を、麻美さんが担当していました。

澤山 なるほど、なるほど。

中村 メインスタンドの観客から何人か選んで、ダンスパフォーマンスを披露してもらい人気投票するという類いのイベントでした。そういえば最後に、カエルの一平くんが選ばれていましたよ。しかもそのダンスが全く受けずダダスベリで(笑)。

澤山 わはははは、しかもスベったんですか!(笑) ダダスベリするわ、植田朝日さんにdisられるわ、大変ですね……。

中村 植田朝日さんが怒っていたのは、麻美さんや一平くんに対してというよりは、普通代表戦アウェーはこんなことやらないから、雰囲気を損なうということみたいですね。日本を歓迎してくれるのはありがたいけど、敵地に乗り込んで応援するという構図ができない。親善試合みたいで何だかヌルくなってしまうと。今まで一回もこんなことはなかったよと植田朝日さんがtweetしていましたが、何十年も世界中で応援してきた彼がそういうなら、相当レアなケースだというのは間違いないですね。

そして、どうしてこんなイベントが行われているのかと考えたときに、麻美さんがアンバサダーを務めるカンボジアンタイガーFCがああいうイベントをやらせろとゴリ押ししたと邪推されてしまったんですね。

澤山 注目が集まる代表戦のハーフタイムに、企画をねじこんだのではないかと。

中村 麻美さんをはじめとした現地で活動している日本人がゴリ押ししてやったのではないかということですね。でも後々関係者のコメントを聞くと、本来は試合前のイベントだったようですが、それはいつの間にか中止になっていて、ハーフタイムのイベントは試合2時間前にカンボジアサッカー協会からやってくれと言われたんだそうです。

澤山 え、2時間前?? あまりに急すぎる!(笑)

中村 「麻美さん、適当にハーフタイムに出て行って観客指名してダンスさせてください!」と。なんじゃそりゃ、みたいな(笑)。

澤山 ははー、つまり麻美さんが場馴れしすぎていた、MCスキルが高すぎるが故に起こった食い違いと……。

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