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「ラブソングを作るような気持ちで書きました」 『スポーツに恋して』著者・篠原美也子インタビュー

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篠原美也子ファンの皆さん、お待たせしました! 今回は、このほど『スポーツに恋して 感傷的ウォッチャーの雑食観戦記』(花伝社)を上梓された、シンガーソングライターの篠原美也子さんへの著者インタビューをお届けする。

シンガポールとカンボジアでの取材を終えて帰宅した19日、ご献本いただいた本書を手にして、あらためて感じたことが3つあった。

まず「書籍っていいな」という感覚。本書に収められているテキストのほとんどは、すでに徹マガでの連載として入稿された段階で読んできたものだが、縦組みの活字として読みなおしてみると、また違った読み応えを感じることができる。端末でも縦書きの文章は読めるが、紙にプリントされた活字はやはり格別な贅沢感がある。モノクロームになっているが、サブタイトルに添えられたイラストもなかなかにいい感じだ。

次に「バリエーションが半端ない」という感動。『篠原美也子の月イチ雑食観戦記』という連載タイトルそのままに、野球あり、ラグビーあり、ボクシングあり、テニスあり、そしてサッカーありと、実にさまざまなスポーツが登場する。しかも、それらさまざまな競技やアスリートに対する篠原さんの視線が、実に味わい深く、そして鋭い。その一方で、現在中学生となる息子さんのサッカーを通した成長記『うたかたロケンローラー』との、いい意味でのギャップも楽しむことができる。

そして何といっても「徹マガからついに書籍が生まれた」という感慨。実は篠原さんに連載をお願いした当初から、「いずれは書籍化を」と考えていたのだが、それから2年後で実現したのはまことに嬉しく、かつ誇らしく感じる(ちなみに版元である花伝社を紹介していただいたのは、徹マガにたびたび登場していただいているカルロス矢吹さん)。また文中には、たびたび徹マガと私に関する言及もあり、多少照れくさく思ったりもした。

篠原さんとは、原稿やイラストの入稿の件で毎月やりとりさせていただいているが、実際にお会いしてじっくりお話を伺うのは今年のお花見以来のことであった(書籍化の具体的な話もその席で始まった)。相変わらずのぶっちゃけトークを炸裂させつつ、表現者としての考え方やスポーツへの真摯な思いを語ってくれた篠原さんには、あらためて感謝したい。なお本稿では、篠原さんの過去のイラスト作品も掲載する。(取材日:2015年11月4日)

(残り 9788文字/全文: 10786文字)

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