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【無料】なぜ村井チェアマンは毎回炎上するのか? Perfumeの構造に学ぶコミュニケーションのあり方 ハト澤対談vol.1

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徹マガ編集長の澤山です。先日、結構な反響を頂戴しました、作家・中村慎太郎さんと澤山の対談「ハト澤対談」ですが、一部を無料公開させていただきます。一部というのは、Perfumeのくだりのみということで。ここがキモでもありますし、前半部分を読まないと成立しない内容でもないんですけど、面白かったら前半を読むためだけに購読してください(笑)。

なお特にある程度年齢層の高い、僕と同い年かそれ以上(30代後半)の方ならピンと来るかもしれませんが、この「ハト澤対談」というのは『ロッキング・オン』誌の名物コーナーであった渋松対談をオマージュしております。オマージュ元は架空対談だったということですが、我々は面と向かって対談しております。業界の大先輩に並ぶには、汗をかくしかありません。

それにしても、Perfumeとサッカーを結びつけるとかどうよという意見が今んとこ一つも来ないのは、サッカーファンとPerfumeファンが結構被ってるからなのか、徹マガだから仕方ないと思われてるのか、単に読まれてないのか、まあどれもありそうですが(笑)このページを開いたが運の尽きというか、読んでいってください。読まなくてもいいので動画だけでも見ていってください。名前だけでも覚えて帰ってください(←

========以下、抜粋=============

澤山 ありがとうございます。1本目なので加減が難しく、いきなり1ニュースについてかなり長々と熱く語りましたね(笑)。続いてはちょっと変化球投げてみます。この話題。

>Perfume、総務大臣賞・ACCグランプリ受賞 チームワーク評価に「うれしい」 |
>ORICON STYLE http://www.oricon.co.jp/news/2061427/full/

澤山 さて僕の大好きなPerfumeですが(笑)、総務大臣賞・ACCグランプリを受賞したというニュースがありました。その受賞したコンテンツはこちらです。S×SW(サウス・バイ・サウスウェスト)というメディアアートの品評会に出したやつですね。29日深夜にあった「アメトーーク」で「Perfumeすごいぞ芸人」特集がありましたから、ちらっとだけ観た人も多いかもしれません。これがその全容です。

これ、ホントにお願いします、この動画は絶対に見てくださいw 読み飛ばさないで見てみてください。

中村 いやあすごいですね、サイバーパンクのようなというか、近未来の世界観を描いた芸術作品という感じですね。

澤山 こういう3Dと生身の同期というのは、真鍋大度(ライゾマティクス)さんが2010年の東京ドーム公演から加入して以降、飛躍的にクオリティが高まっている感があります。それ以前にももちろんやっていたんですけど、ここまでの精度のものはなかったかなと。というのもホントに、コンマ数秒ずれると全てが崩れる世界なので。ライゾマティクスさんがチームPerfumeに加入してから、こういう表現が非常に強くなったと思います。

聞く所によると真鍋さんはものすごいPerfumeヲタで(笑)、新しい技術を学んだり仕入れたりしたら「これをどうPerfumeに活かすか」を常に考えておられるとか。Perfumeヲタにはすごくハイソな人たちや技術者も実は多いんですが、真鍋さんはその最たるものかもしれません。

中村 今回の受賞の理由ってどのあたりなんでしょうね?

澤山 受賞理由はニュースにはないですね。単純に一番かっこいい、迫力がある、一番先進的なことをやっているのでしょうが、文系のわれわれにはそこまで正確にはわからず。ただ3DやCGと生身のフィジカルな表現を、ここまで高いレベルで同期するというのはとてつもないことだと思います。ここまで突き詰めると、一般に訴求する強度を持つと思うんですよ。この動画見せた友人の全員がぶったまげてます(笑)。

中村 映像作品として「近未来的で格好いい」というだけだと、無機質な感じがするんですよね。この映像では、Perfumeの3人がドアを開けて出てきた時、ホッとしましたから。

澤山 すごく鋭い感想だと思います。よく褒め言葉で、Perfumeのライブに導入されるテクノロジーがすごすぎるから「そのうち3人が出てこなくても良くなりそうですね」って言われるんですが、僕はその都度反論してます(笑)。違うんです、あの技術と生身があることが大事で、目の届く範囲声が聞こえる範囲に本人たちがいることで身近に感じられるわけです。

中村 最先端の芸術は、それが先端であればあるほど日常を生きる我々とは接点のないもの、受け入れるのが難しいものになっていくんじゃないかと思います。けど、Perfumeファンと呼ばれる人たちはPerfumeの3人があそこにいるおかげで、無理なく最先端の世界へと入っていけるというところはあるかもしれませんね。

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