宇都宮徹壱ウェブマガジン

組体操、全否定はしないけれど。一保護者の立場からの意見 及川真弓

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photo by Rex Walters

徹マガ編集長の澤山です。今回は、友人であり中学生男子の母でもあるライター・及川真弓さんからの寄稿をお送りします。

体育祭シーズンも一段落しましたが、今年は組体操についての議論が例年になく取り上げられたように思います。私が関わっているメディアでも組体操について正反対の立場からの記事を取り上げさせていただきましたが、そもそも組体操というもの自体が必要なのかどうか? 達成感、やりがい、一体感を得るメリットはある一方で、負傷のリスクをどう考えるのか? という部分が盛んに論じられました。

組体操においては紛れもなく生徒が当事者である一方、それを指導する側の教師、そして保護者の方々も十分に責任を持つ当事者です。今回は、保護者の立場からの意見を語っていただきました。この議論を考える上で非常に重要な示唆を含んでいると思います、ぜひお読みください。(原稿執筆:2015年10月11日)

 

「組体操の事故のニュースが話題になっているけど、どう思う?」

こんな問いかけを子どもの友だちの親たちにしてみると、ほぼ全員が口を揃えて「子どもの組体操を見て感動した」「安全なら賛成」「10段のピラミッドはやりすぎ。想像もつかない」。こんな答えが返ってくる。

かくいう私も、現在中学生の男子の母親であるが、概ね他のママたちの意見に同意だ。息子も小学校の運動会で組体操をしたが、普段は運動嫌いの息子が真剣な表情で取り組んでいる姿にいたく感激したのを覚えている。大きな事故やケガもなく無事にできたことからよい思い出になったが、もしも自分の子どもが大きなケガをしていたら、こんな風にのんきではいられなかったと思う。

組体操自体を全面的に否定はしない。条件付きで賛成。おそらく世の保護者の多くは同じ気持ちではないだろうか?

息子の友だちの親の中には、公立・私立の小学校で教師をしている人がいる。教師であり、保護者でもある彼女たちにも話しを聞いてみた。

(残り 2830文字/全文: 3654文字)

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