寂しい? 不安? それとも「どうでもいい」? 代表戦がない2020年はどう記憶されるのか?
今週は久しぶりに、日本代表について考えることにしたい。先週の水曜日、AFCはワールドカップ・アジア2次予選の残り4節分の試合について、年内は開催しないことを発表した。当初は3月と6月に2節ずつ開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、10月(8日・13日)と11月(12日・17日)に延期と発表されたのが今年の6月。しかし、その後も感染拡大に歯止めがかからないことを受けて、今回の発表に至った。
日本代表が最後に試合を行ったのは、韓国・釜山で行われたEAFF E-1サッカー選手権の韓国戦で、昨年12月18日のことであった。国内での最後の試合は、ベネズエラとのキリンチャレンジカップ(@パナスタ)で、こちらは11月19日。とりあえず2020年は、日本代表の公式戦が行われないことは確定した。現状を鑑みるなら、海外から代表チームを招いての親善試合も難しいだろう。キリンチャレンジカップも開催できないとなれば、2020年は「代表戦が行われなかった年」ということになる。
ここで、歴史的な視点を加えてみることにしたい。代表戦が長く行われなかった事例は、過去にも何度かあった。私と同世代の方であれば、代表監督が横山謙三からハンス・オフトに変わった時代を、まず思い出すだろう。横山監督の最後の試合となったのは、長崎で行われた日韓定期戦で1991年7月27日。オフトのデビュー戦となったのが、キリンカップのアルゼンチン戦で92年5月31日。この間、実に10カ月にわたって日本代表は活動していなかった。その一番の理由は、初の外国人監督の選定に時間がかかったためとされる。
では、代表戦がまったく行われなかった年は、過去にもあったのだろうか。「1957年以来」との記事を見かけたが、後藤健生さんの『日本サッカー史 日本代表の90年』によれば、この年の10月20日から11月10日まで、日本代表は当時国交のなかった中国に遠征して7試合を戦っている。その前の代表戦となると、メルボルン五輪でのオーストラリア戦で、これが56年11月27日のこと。日本は58年のワールドカップ・スウェーデン大会の予選に参加しなかったため、11カ月のブランクが生じることとなった。
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