中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】豪雨なのに水不足な話。車社会には反対するけど免許は必要な話。

お久しぶりです。ドイツの日常コラム「ゆきラボ」、担当のゆきのです。夏休みから戻って来ました。

早速ですが本題です。8月24日夜、ドイツ南部は猛烈な豪雨に見舞われました。フライブルクが位置する南バーデン地域では特に雨量が多く、地元紙では「100年に一度の暴雨」と報じられました。本来、夏に”Gewitter(ゲヴィッター)”と呼ばれる激しいにわか雨が降るのは、日本の夕立と同じで珍しいことではありません。ただ、日本同様、ドイツの夏のゲヴィッターも年々強烈さを増しているようです。特に昨今のゲヴィッターは、雨や雷だけでなく激しい突風を伴うのが特徴。突然の暴風雨の襲来が、大きな被害をもたらすことも少なくありません。道路や建物の冠水だけでなく、倒木による被害や、落雷による停電、火災などの危険もあります。

スマホアプリなどを使えば、もちろん暴風雨の警報や注意報を事前に入手することはできます。ただ、日本の台風ほど正確な予測は難しいようで、結果、帰宅途中で立往生したり、スポーツやキャンプなど、屋外での活動中に災難に遭ってしまった人も多かったです。

幸い我が家では、豪雨の時間帯は家族全員が帰宅しており、建物への浸水の被害もありませんでした。ただ、友人宅、友人の子どもの通う幼稚園や小学校、仕事の取引先の店舗などなど、身近なところで何件も浸水による被害が出ました。夏休み中の出来事でしたから、留守にしている間に家がや職場が水浸しに、という悪夢のような話もちらほら。身の回りでこんなに被害が出た豪雨は、私も過去に経験がありません。

一方で、豪雨と矛盾するようですが、この地方では、水不足による農作物や山林への影響が慢性化しています。6月のコラムでご紹介した水路・ベヒレも、晩夏で観光シーズンも一段落した今、節水のため給水が止まっています。

雨ならあれだけ降ったじゃないか!と言いたくなるところですが、短時間に集中的に降った雨は、地中にとどまらず、そのまま流れ去ってしまう割合が高いのだそうです。渇水で木々が弱っていれば、木々の根から蓄えられる水よりも、土壌ごと流れ出してしまう水のほうが多くなることも。人間にとっても自然にとってもちょうどいい量の雨が定期的に降ってくれればいいのですが、自然相手ではそう都合よくはいかないもの。これも気候変動の影響と思えば、結局は人間の自業自得なのかもしれません。

後半も、気候変動にまつわる話を続けます。

(残り 2290文字/全文: 3298文字)

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