【ゆきラボ】涼を運ぶフライブルク名物、ベヒレの話
こんにちは!ドイツの日常コラム「ゆきラボ」です。
先日、次男を連れて歯医者に行った帰り、そのまま街中で買い物をしていました。
次男「友達がこの前〇〇っていう店でかっこいいスニーカー買ってた。そこに行ってみたいんだけど」
私「〇〇って……名前は聞いたことあるけど、行ったことないね。どこにあるの?」
次男「ベヒレの前にある」
それ全然目印にならないよ!と脱力した瞬間です。ベヒレはフライブルクの旧市街あちこちにあります。ベヒレの前にある靴屋なんて、フライブルクで何件あると思ってるんだ……
と、ここまで何の説明もせずに書きましたが、今回のゆきラボは、このフライブルク名物「ベヒレ」のご紹介をします。
フライブルクの旧市街地では、観光資源として街の景観を守るため、アスファルトはほとんど使用されず、道路には石畳が敷かれています。その路地の横を流れている小さな水路が「ベヒレ “Bächle”」です。小川(Bach)よりもさらに小さい(-le)水の流れ、という意味でこう呼ばれています。
このベヒレ、街のいたるところに流れています。旧市街ではベヒレが流れていない通りのほうが少ないかもしれません。ベヒレが道案内の目印にならないのは、こういうわけです。
街の名物として愛されているベヒレは、暑い夏の日に涼を運んでくれる存在です。真夏日が続いているここ何週間かは、冷たい水が流れるベヒレに足を入れて涼む人、ベヒレで水遊びをする子どもの姿が街のあちこちで見られます。フライブルク大聖堂近くのベヒレでは、こんな看板があり、
看板の示す先に行くと、ベヒレで遊べる小さな木のボートが売られています。
ベヒレに浮かべて遊びます。流されないように、舳先にひもをつけるためのフックがあります
ベヒレに面したこちらのレストランでは、ベヒレをまたぐように座席が置かれていて、足を冷たい水につけながら食事を楽しめるようになっています。足湯ならぬ、足ベヒレ。
お土産のポストカードでもベヒレは定番のモチーフ。フライブルクには「ベヒレに落っこちた人は、フライブルクの人と結婚する運命にある」という言い伝えがあるほどです。そんな愛されベヒレの歴史は、コラム後半にお伝えします。
(残り 1308文字/全文: 2214文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ