中野吉之伴フッスバルラボ

【無料記事】オランダで学んだ6割力の大切さ。完璧主義より成長しながら人生を歩むための考え方をお勧め

▼ オランダに学ぶバランス力

2023年もあと少し。

今年もいろいろありました。

世界に目を向ければ、ユーロ高⇄円安の関係はなかなかに影響を受けたし、ウクライナとロシアの関係は良好化したとはいいがたい。加えてイスラエルとハマスの紛争化は世界の情勢をさらに混沌なものにしています。

物価は世界的に高騰。エネルギー問題はまだトンネルの出口が見えない状況。

国内におけるニュース一つ一つに目を向けると、なんだか暗い気持ちになるものも少なくありません。

世の中とは、そんなにやるせないところなのでしょうか。

いやいや、そんなことはないはずです。

僕にはたくさんのいいことやポジティブなことがありました。一つ一つは些細なことだったり、小さな喜びかもしれないけど、でもそれを大切に受け止めて、幸せに感じることが、毎日に間違いのない活力をもたらしてくれます。

今年、オランダの現地小学校で体育の先生をしている安井隆さんとお会いしました。ユトレヒト市にあるオーガニックカフェでランチを食べてのんびりとおしゃべりをしていると、お店の人が注文したはずのカプチーノではなくて、普通のブラックコーヒーを間違えて持ってくるという一幕が。

「あら、間違えてしまいました。すぐにカプチーノを持ってきますね」といって慌てるでもなく戻るお店の人。そういえば夏の池上正さんとのドイツ・オランダ指導者研修ツアーで訪れたときも、みんなの注文がそこそこ通っていなかったことを思い出します。

安井さんが何でもない様子で「「やっぱりオランダって6割ぐらいしか正解じゃないですよねぇ」と笑っていました。それってどういうことでしょう?

安井「6割できていればオッケーというのは、教育にも関係しているんですね。資格に関するところでも6割取れればOK。合格になります。だからそもそも10割を目指さない。6割でOKシステムなので、いろんなところで間違いとかもあります」

この6割って線は相当に面白い設定だと思いませんか?5割じゃないんです。半分できればいい、というわけではなく、かといって7割でも8割でもない。誰でも努力をすることは求められるけど、かなりの努力をしなければならないわけではなという。

頑張ることが大事だけど、でも肩の力を抜ける余力があることを社会全体で肯定しているというわけです。だからかオランダの街を歩いているととてものんびりとしていて、心穏やかな空気がそこにあるのを感じられます。

安井「日本人からすると、『え?このクオリティで満足できるの?』ってなってしまうかもしれない。

でも人ってどっかで満足しないと逆に不幸になる。10点満点で6点くらいのクオリティで満足できたら、そこで幸せになれるじゃないですか。それこそ7点、8点のものはすごい高いクオリティだったら、すごくハッピーになれる。けど、10点ばかりを求めてしまうと9点のものでも『ああ、こんなものか?』ってなってしまう。ハッピーになれないじゃないですか。

オランダにおけるその辺のバランスも結構絶妙だなって思うんですよね」

いいことも悪いことも。ポジティブなこともネガティブなこともあるものです。今年もいろんな波があって、流れに乗れているときもあれば、流れに飲み込まれるときもありました。

目標は高ければ高いほうがいいのではなく、適切な高さを設定し続けることが成長にもつながりますし、人生を幸せに過ごしていくために何より大事なことなのかもしれませんね。

時に目標値が高すぎたり、低すぎたりすることも大切な経験。人生、自立した寄り道はめちゃくちゃ大事ですから。その中で6~7割のラインを設定調整していけるようになりたいものです。

僕も目標設定高すぎになりがちなので、もうちょっと肩の力を抜けるようにやっていきたいなと年越し前のいま改めて思うものです。

みなさまもぜひ、ご自身の志向傾向を振り返って、来年の目標設定の参考にしてみてください。

さて、2023年も大変お世話になりました。
どうぞ良い年をお迎えくださいませ。

新年最初のコラムは1月4日アップを考えています。
今後も様々なコンテンツを提供できるように精進してまいります。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

中野吉之伴

※次ページでは今年最も読まれた記事TOP10を発表!いくつか過去記事もランクイン。年末年始にぜひもう一度楽しんでいただければなによりです。

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