Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】シーズン移行の検討状況について「降雪地域や施設にどのくらいのサポートができるのか財源を明確化した上で各クラブとの意見交換に入っていくのかが来月の議論となる(Jリーグ・樋口氏)」

その中の1つの打ち手として、シーズンを移行すべきかどうかについても平行して議論しています。

8月で4つの分科会の3回の議論が終了しました。それぞれの分科会が終わって出すべき内容が完了したというよりも、当初設定された3回が一旦終わったと認識しています。8月の理事会や実行委員会では詳細の報告をしております。今後Jリーグの目指す姿ですとか、シーズン移行することのメリットデメリットだけでなく、今のシーズンのままでいる事のメリットやデメリットについても具現化しながら、分科会については状況について4回目、違ったテーマについて、スタジアムの確保調整のための分科会、価値をどう作っていってどう具現化していくのかという意見交換をする分科会を作ろうかという話が進んでいる状況です。

シーズン移行する場合としない場合の研究を分科会で進めてきましたが、その概略をご報告もしています。
実際実行委員会や理事会では経営情報も含めてもう少し細かい粒感まで報告していますが、開催の、サマーブレイク、ウインターブレイクがどのくらいの期間あって、平日節がリーグ戦でどのくらいか。選手のオフ期間がどのくらいの日数あるのか。キャンプの準備日数、降雪地域のアウェイ連続がどのくらいか。キャンプ費用がこれまでの実績、各クラブの申告に基づくものを第1次の案として整理をしてご報告をしている段階です。

重要な参考情報として、これまで走行距離に関してJリーグの資料をお見せしてきました。
今回ヨーロッパ5大リーグのデータも入手できましたので、総走行距離、ハイ・インテンシティ、加速と減速、4つのパターンで比較しています。
5大リーグでもそれぞれのリーグでバラツキがありますが、カーブとしては同じようなカーブだったので、今回は平均としてお見せしています。
今回Jリーグのカーブが少し変わっています。理由はこれまでJリーグの公式データを出していましたが、今回入手した海外のデータとJリーグの公式データの定義が違い、そのまま比較すると意味がないので、今までお見せしていた数字と変わっています。またシーズンを重ねることも検討しましたが、そうするとヨーロッパと季節も違うのであえてずらして書いています。
想像の通りですが、日本が夏に向けて谷のカーブになっていますが、ヨーロッパ5大リーグはシーズンが始まってから徐々にコンディションが上がっていって、シーズンの最後に落ちていくという山になっています。他のデータでも高さのバラツキはありますが、基本的にはコンディションが無い所から整えて上がっていって、シーズン終盤になって落ちていく、山のカーブがヨーロッパのスタンダードになっていることがわかっています。

それからもう一点、移籍のマーケットが合う事による、メリット・デメリット両方あると思いますが、監督会議でのご意見を含めて、Jリーグのシーズン中に海外する事の悪影響について、多くのご意見をいただいていております。その情報のファクトを整理したものです。

一番上はヨーロッパとJリーグのシーズンが半分ずれていることを模式化したものです。マーケットが金額的にも、マーケットが大きいヨーロッパのJリーグのシーズンの夏場に当たりますので、有力な選手が移籍している現状を認識しています。有力な選手が抜けるクラブはシーズン中にチーム編成がわかるので多くの困難に直面するわけですが、J1はJ2から補充、J2はJ3から補充するという形で玉突き移籍が発生しており、ここに記載されている選手だけでなくより多くの影響がシーズンのど真ん中に発生していることが1つデメリットとして確認しています。

繰り返しますが、まず4つの分科会の報告をしています。
それからシーズン移行するしないに関わらず、そもそもJリーグや・日本サッカーがどこを目指すのか、長い時間をかけて意見交換をしました。
改めて確認できたのは、トップが100~200億規模になってアジアで勝ち世界で戦うことで、グローバルコンテンツになることにつながる。60クラブがそれぞれのスタイルで経営規模を増やしていく、これが両立するのがJリーグの目指す姿確認できたのかなと思っています。

来月に向けて目指す姿、議論のたたきだったで少しぼかしている部分もありましたが、もう少しぱきっとしたものを示した上で、そのためにどちらのシーズンがふさわしいのか。また来月はシーズン移行のために使用できる財源があるのか、降雪地域や施設にどのくらいのサポートができるのか財源を明確化した上で各クラブとの意見交換に入っていくのかが、来月の議論となります。

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