Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】シーズン移行の検討状況について「降雪地域や施設にどのくらいのサポートができるのか財源を明確化した上で各クラブとの意見交換に入っていくのかが来月の議論となる(Jリーグ・樋口氏)」

8月29日、Jリーグの理事会が行われ、理事会後にシーズン移行の検討状況に関するメディアブリーフィングが行われた。
今回はJリーグ・樋口フットボール本部長が説明を行った。

※これまでに話した事や内容が重複している部分については割愛しています。

【ニュース】監督会議出たシーズン移行についての意見について。夏場のクオリティが下がっている事に危機感を持っている点、ヨーロッパとウインドーを合わせる事で、移籍に関するメリットがあるという意見が多数。一方でウインターブライクが長く逆にサッカーできる期間を長く取った方がいいのではという意見も。

○Jリーグ・樋口フットボール本部長
実行委員会・理事会での議論についての資料についてはこれまでの内容も含めたものになりますので、割愛しながらご説明させていただきます。

まず、究極な目標として、ワールドカップ優勝の時にJリーグのメンバーとしてワールドカップ優勝したいというものがありつつも、この数年で目指すものはアジアで圧倒的なリーグになること、ワールドカップでもベスト8を目指しますが、5大リーグで活躍選手を中心にそこにJリーグの選手も組み合わさっていく事が現実的かなと思っています。2点目は30年経った中でJリーグは一定の成功は収めつつあるものの、ヨーロッパはより長い歴史をベースにより大きな成長を遂げています。また環境の変化として、ACLの大会構造変化やクラブワールドカップが32クラブ制になることも含めて、アジアで勝つ、世界で戦う事がJリーグとしてもグローバルコンテンツとなるクラブを作ることで、その価値で60クラブの価値も上がるそういった観点の話をさせていただいています。

こちらがイメージ図になります。さらなる高みはあるものの、ここ数年で目指すべき状態をしっかり目指していこうという話を進めています。
こちらは今までJリーグの理念や100年構想は変わらず、さらに設定した、2つのテーマを土台にしながら、どんな打ち手が必要か4つの戦力と整理したものです。4つのボールについてはもう少し具体化したお話をさせていただきました。

まず1つ様々なデータを示しながらワールドカップで言えば、日本は連続出場してベスト16に進出できるような状況になっていますが、一方で国内組の割合は低下傾向にあります。
今後もヨーロッパの5大リーグで活躍する選手が中心になることは想定しています。ただ一方で、Jリーグの中にいても世界で戦える環境作りを構築しながら、Jリーグからも選手を輩出していきたい思いもあります。

今年からACLが24クラブの大会に変わります。先日報道発表もありましたが、賞金も優勝すれば17億円規模の大会で、さらにここで優勝しなければクラブワールドカップにも出場する事ができません。そのクラブワールドアップは4年に1回、初回は2025年にアメリカで開催されることが決まっています。先日来日したマンチェスターシティなどヨーロッパからは12クラブが参加予定で、Jリーグとしても世界のクラブと本気で戦える絶好の機会じゃないかと考えています。

ヨーロッパだけでなく南米なども含めた世界のクラブの収益の一覧概要だけお伝えしています。対外的にはお見せできないものなので概略のみになります。

この数字には移籍金の収益が入っていないので、移籍金が入ればがもっと大きくなります。こういった概況があります
例えば20位~40位で言えば、アヤックスとかベンフィカとかナポリとか。40位~60位で言えばセルティックやフェネルバフチェといったクラブが入ってきます。
今後、Jのトップクラブがアジアで勝って世界で戦っていくためにも、もちろんサッカーは収益だけで決まるものではありませんが、ただ一定規模の収益に届く事によってトップのクラブに勝つチャンスも増えてくると考えています。

Jリーグのトップクラブでも現状は100億円届かない状況です。例えばUEFAチャンピオンズリーグで言えば、ビジャレアルとかベンフィカとか、毎年200億円規模のクラブが1つくらいベスト8に入ります。なので200億円を一つの目安として、我々もワールドカップ同様に、クラブワールドカップでもベスト8以上に入れるような環境を作っていきたいと思っています。

当然そこにはギャップがあって、今までもクラブの方々も100億円を1つの目途にしながらも、200億円というのはどういう世界観なのか話をしています。そのためには今の延長線上の成長ではなく非連続な成長が必要となります。先ほどACLで優勝すると約20億円、クラブワールドカップは大会方式も賞金も未発表ですが、より多くの賞金が入る事が見込まれます。
そして移籍金で二桁億円規模の移籍金収益を恒常的に獲得していく事。それから放映権、国内・国外ありますが、ナショナルコンテンツやグローバルコンテンツとなるクラブが登場する事で放映権料が上がっていく道筋が見えていますので、そういった3点で非連続の成長を遂げる必要があると感じています。

3点目の競争環境や圧倒的な露出の部分は、本日の議論というか昨年から続いているものの延長線上にありますので、詳細の説明は割愛させていただきますが、競争に舵を切っていくということ。J1のクラブ数を20クラブにしたり、ルヴァンカップの大会変更をしたり複合的な構造改革をしています。露出についてもこれまで説明している通り、テレビの露出も含めて圧倒的に増やしている段階になります。そこからファンを増やすだけでなくて、そこからどう収益化していくのかも含めて、各クラブそれぞれのやり方をリーグとしても職員を各クラブに派遣しそれそれの担当がクラブとコミュニケーションを取りながら進めている段階です。

繰り返しになりますが2つの成長テーマは両立すると考えています。
4つのボールをより具現化しながら、トップは100~200億円に伸びていく、60クラブはそれぞれの地域で経営規模を1.2倍~1.5倍と増やしていく。そしてトップが増えていく事ことによって様々な賞金や移籍金や放映権が高まると、それが60クラブ全体に価値を付与していく、そういった構造を作っていく、そういった話をしています。

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