Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【村井チェアマン会見から2017シーズンのJリーグを紐解く!】その3『1シーズン制に戻すことを決めた最大の理由とは?』

10月12日、JFAハウスにてJリーグの理事会が行われた。理事会後の記者会見で村井満Jリーグチェアマンは、2017年シーズンから、2014年シーズン以来「1ステージ制ホーム&アウェイ方式の総当たりリーグ戦」に戻すことを発表。また2017シーズン以降のリーグに関わる5つの内容ついて話し合われたことを発表した。

5つの内容について詳細はこちら!

本日は、その中の1シーズン制再変更の理由、サマーブレイクの導入について、チェアマンのコメントをたどりながら、紐解きます。

ポイントをまとめると・・・

・最大の理由は日程面で限界を感じたこと(ACLの日程など)。
・インターネットの調査(ファン・サポーターの意見)、プレーする選手の意見などを考慮。
・サマーブレイクの導入で海外クラブとの強化試合を推進


○村井満チェアマン
「今回3年ぶりに1ステージによるホーム&アウェイ総当たり戦とすることを総意として確認しております。この内容についてはこの後、関係する諸手続きに配慮しながら、今回大会方式を変更することに合意しました。2013年の年末に2ステージ+チャンピオンシップという新たな大会方式を議論し、実際に2015年から導入をして、現在2年目の途中となります。実質2年間でこの大会方式を1ステージ制へ戻すという内容ですので、過去の経緯を含めてプロセスについては、多くの皆さんへ丁寧なフィードバックが必要だろうということで、今日過去の経緯を含めて手元の資料に少し長文になりますがまとめさせていただきました。内容についてはこの場で説明する事は割愛しますが、ぜひご一読いただければと思います。実行委員会の場では、大会方式の変更について諮りましたが、理事会でも全会一致で承認されました。

■当日配布された資料の内容はこちら

それから、1ステージによるホーム&アウェイによる総当たり戦へ移行するにあたって、来年17年シーズンにおいては夏場にサマーブレイクを設けることを申し合わせました。先般川崎フロンターレがドルトムントを招いた親善試合もありましたが、今Jリーグにとってとても大事なのは、世界のトップオブトップのチームと世界レベルを競い合いながら、我々のギャップをしっかりと認識すること。そしてその差を埋めていく算段を付けていくことが極めて重要です。ぜひ世界のクラブとマッチアップができるようにしていこうということになりました。チームによっては海外へ出ていくチームもありますし迎えるチームもあります。海外だけではなくて国内でマッチアップするクラブもあるかもしれませんが、基本的には強化を前提としながら、結果的にそういうレベルの高い試合をやることで関心度を上げていくことにも寄与できればと考えています。

※ここからチェアマンからインターネット調査の結果などの紹介、賛否両論ある中でおよそ6割の方が1ステージ制に戻すことに賛成していることが説明された。

資料のポイントだけ説明させていただきます。

2013年、Jリーグが2ステージ制を決めたタイミングからからほぼ同じ内容で調査をしています。2回目は2015年の1stステージ終了後、3回目はチャンピオンシップ終了後、2016年1stステージ終了後に4回目を行っています。

1万人のサンプルのうち、スポーツに関心があるというのが5900人程度、サッカーに関心がある方が4割程度、Jリーグに関心がある方が3200人程度。この中でメディアや生観戦を含めて試合を見たことがある方が、スタジアムでの観戦が無いという属性に分かれます。これについて定点観測でずっと調査を重ねてきましたが、2年続けてきた現状でも2ステージ制+チャンピオンシップについては、賛成と反対の意見が分かれています。また、今回決議したような1ステージ制に戻す内容について、およそ6割の方が賛成であるというご意見をいただいていました。こういった多くのファン・サポーターの意見を定点観測してきたことが、(今回再変更する理由の)1つです。

それから実際にプレーする選手達の意見も聞きました。プロサッカー選手協会の高橋秀人選手会長と話をしました。彼に依頼してJ1全クラブの支部を通じてJ1全クラブの選手に意見聴取を行っていただきました。

選手会としてはJリーグのシーズンが一斉に終わるということ、これが非常に重要だとという認識でした。

例えば、あるクラブに在籍している選手がチャンピオンシップを戦って次の年にJ2へ移籍する場合に、(オフがなく)すぐにキャンプが始まってしまう。なるべくJ1・J2・J3でオフ期間が均等になるようにしてほしいという声がありました。およそ8割の選手が1ステージに戻ることに賛成しています。クラブの強化担当、実行委員、それから一番大きいのはリーグタイトルスポンサーの明治安田生命様に、Jリーグのためになるならば、ぜひ積極的に議論してくださいとおっしゃっていただいております。それに関しては非常に感謝しております。

最大の変更ポイントは、ACLの日程です。ラウンド16がホーム&アウェイで2日程になってしまったこと。それから決勝戦が週末でホーム&アウェイの2日程になってしまうことです。日程面で限界を感じたことが、直接的な要因となっています。また今年熊本の震災等で、もし熊本がJ1であったら、変更した5試合を同一ステージ内に収めることができなかった。自然災害の多い日本において大会方式のあり方として1シーズンでという意見も出ました。そういったことを含めて、今回の決定をした次第です」

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