Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

J1の入場者数について「(例年開幕後の減るタイミングで)しっかりと下げ止まらせることができるのか。もしくは(ワールドカップ)中断後お客様を戻せるかどうか。今後の対応が非常に重要だと共有しています(村井チェアマン)」~3月のリーグの理事会より(1)~

3月20日、JFAハウスにて3月のJリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われた。

今回も会見でのコメントをお届けしています。

○村井満チェアマン
3月度の理事会が終わりました。3月27日付のJリーグ社員総会で、新たな理事が選任される予定ですので、現在の体制での最後の理事会という形になりました。社外理事、学識経験者として早稲田大学の原田宗彦さん、野球界から小宮山悟さん、有森裕子さん。そして村松邦子さん、監事として味村隆司さんが退任されます。それからJFAの担当変更もございまして、岩上和道さん、クラブ関係者では鹿島アントラーズ社長をされていた井畑滋さんなどが退任され、数多くの方が退任されますので、本日は区切りの理事会となりました。本日協議した内容は多くの時間を要するものはありませんでした。

今年、Jリーグは開幕25周年を迎えます。現在のJリーグの中における次の第二四半期というべき期間をどういった方向で経営していくのかという、Jリーグのビジョンの議論の進捗状況について、少し時間を取って共有をさせていただきました。その他、決議事項は広報から話があったとおりでございます。

~質疑応答~

Q:今日の理事会とは直接関係ないかもしれませんが、先日、柏で差別行為があったのではないかと思われる行為があったと思います。進捗具合を教えてください。また、今シーズンの開幕からの入場者数がどう推移しているかを教えてください。

「まず柏vsC大阪戦において差別的行為があったのではないか、という指摘についてですが、柏レイソルから3月16日にJリーグに報告をいただきました。クラブとして今事実確認を行い、差別的行為をしているのではないかと思われる行為に関して、画像や動画を確認しました。現時点で明確な行為の事実として認定しうる状況ではないとのことから、引き続き事実確認のお願いをしています。またJリーグの理事会でも共有しましたが、クラブが快適性や安全性を阻害するような違反行為があったファン・サポーターに関しては、クラブが処分しますし、リーグはクラブを裁定する立場にありますので、クラブ側の管理体制に問題がなかったどうか、当日の監視・管理体制、あるいは今後に向けた再発防止に向けた体制等々について、また、スタジアムについての啓発活動について調査しています。

過去、Jリーグでも差別的事象が発生しましたが、それを契機に再発防止をリーグ全体で徹底してきた内容について、クラブがしっかりと適正な対応をしていたかどうか(が問われます)。当該の違反行為だけではなくて、そのクラブの過去の取り組みや今後の体制等について、しっかり提示してほしいと申し伝えていります。事実に関しては確認中で、内容等が私のところに到着次第、今後のステップを考えていきたいと考えております。

いずれにしても、Jリーグ全体で、アグレッシブにファイト溢れるプレーを行っていくと同時に、相手をリスペクトした観戦態度も引き続き求めていきたいと思っています。そうした観点で事実確認をしてまいりたいと思っています。

【参考】
「(事前のリスマネジメントとトラブル発生時の対応を)周知徹底したにも関わらず改善されなければ、今後の事案についても裁定の量刑も変わってくる(村井チェアマン)」
※2017年5月11日に行われた、G大阪サポーターによる不適切なフラッグ掲出に関してメディア向け説明会より
https://www4.targma.jp/jwatcher/2017/05/22/post1559/

※Jリーグの公式データを元に編集部が作成

入場者数に関してですが、現状で言うと明治安田生命J1リーグ第4節終了時点で平均入場者数20,114人で昨年度の同時期を1%ほど下回っていて、同時期比では99%です。昨年度トータルの平均入場数(18,883人)との比較に関しては上回っております。

これがどういう意味を持っているかと言うと、昨年は、開幕の時に非常に多くの方に来場いただき、年間平均(18,883人)よりも開幕4節平均(20,244人)のほうが高い状況でした。通常ですと、開幕してから優勝争いなどの終盤に向けてエビぞっていくんですけど、昨年は開幕が好調だったこともあり、(開幕期における昨年度比では)下回っていますが、シーズン全体比では昨年を上回っています。

今後の課題として、開幕後に少しなだらかに減少していくのですが、そこをしっかりと下げ止まらせることができるのか。もしくはワールドカップ期間の中断がありますので、J1については、中断後お客様を戻せるかどうか。今後の対応が非常に重要だと(実行委員会や理事会でも)共有しております。
J2についても、昨今のJ1と同じトレンドで推移をしております。昨年比の平均入場者数が93%ということです。明治安田J3も同様に下回っておりますので、しっかりと足元を留意しながら手を打っていきたいと思います。

(2)へ続く

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