「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【レポート 天皇杯3回戦 福岡-岐阜】粘り強く戦う岐阜に先制点を許すも最後は力の差を見せつけて逆転勝ち

天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 3回戦
2022年7月12日(水)19:00キックオフ
会場:岐阜メモリアルセンター長良川競技場/2,010人
結果:アビスパ福岡 2-1 FC岐阜
得点:[岐阜]羽田一平(39分)、[福岡]佐藤凌我(84分)、ドウグラス グローリ(115分)

天皇杯らしい難しい試合になった。立ち上がりから力の違いは見せたものの、岐阜の粘り強い守備を崩すことができず、逆に39分には先制点を奪われた。後半に入ってからは岐阜を自陣内に押し込んで攻め続けたがチャンスを決めきれずに時間だけが過ぎて行った。しかし、84分に途中出場の佐藤凌我がゴールネットを揺らして同点に。試合は延長戦へもつれ込んだものの115分にドウグラス グローリがゴールを決めてこれが決勝点。終わってみればアビスパが順当に4回戦に駒を進めた。

「福岡さんのパワーに最後は屈してしまった」(上野優作監督・岐阜)
この言葉がこの日の試合を端的に物語る。だが岐阜は一方的にやられていたわけではない。立ち上がりから強度、技術面では差を感じさせられながら粘り強くアビスパの攻撃を跳ね返し、アビスパの中盤に生まれるスペースで北龍磨、久保田和音の両ボランチがボールを受けてカウンターの起点になる。押し込まれる時間が長いとは言え、やりたいように試合を進めていたのは岐阜だった。そして39分、セットプレーのこぼれ球に北が右足を振り抜いて先制に成功する。

後半はアビスパの一方的なペース。46分、47分、そして48分と決定的なチャンスを演出。アビスパのパワーに前に向かってプレーさせてもらえない岐阜はハーフコートゲームを強いられた。それでもJ1クラブを倒すというモチベーションの高さが随所に現れる。アビスパの攻撃がクロス一辺倒という単調なもであったこともあるが、全員がゴール前で身体を張って決定的なピンチを跳ね返し、GK大野哲煥がファインセーブを見せてゴールを許さない。

そんな試合の流れを長谷部茂利監督の采配が変える。64分には田中達也、鶴野怜樹に代えて金森健志、佐藤凌我を、71分には小田逸稀に代えて湯沢聖人、さらに72分には城後寿、ウェリントンに代えて前寛之、山岸祐也を投入。これで攻撃にバリエーションと厚みが加わり、強みであるサイドアタックに加え、中央からの崩し、ミドルシュートと多彩な攻撃で岐阜ゴールを脅かす。そして同点ゴールは84分。前嶋洋太のクロスボールに佐藤凌我が頭で合わせた。

それでも粘り強く戦う岐阜の前に試合は延長戦へともつれ込んだが、圧倒的に試合を支配するアビスパにとっては決勝ゴールは時間の問題だった。そして115分、その直前にピッチに入ったドウグラス グローリがCKに頭で合わせて決勝ゴール。残る時間を危なげなく使って逆転勝ちを収めて4回戦へと駒を進めた。4回戦の相手はサンフレッチェ広島を下して勝ち上がってきた栃木SC。8月2日、カンセキスタジアム栃木で19:00にキックオタされる。

[中倉一志=取材・文・写真]

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