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無料記事【リーグ情報 JFL / ラインメール青森】北嶋秀朗監督「シーズン前からフォワードには「得点が価値だ」というのは伝えてあったんです」3月23日 対ラインメール青森戦後

【リーグ情報 JFL / クリアソン新宿】

3月23日 対ラインメール青森戦後

2024年3月23日、第26回日本フットボールリーグ第3節、クリアソン新宿(以後新宿)対ラインメール青森の試合があった。今季まだ勝利のない新宿の新監督である北嶋秀朗に試合後に話を聞いた。

––(記者)過去2戦と比べて、相当メンバーの入れ替えもありました。その中で、若い今井聖士(22歳)選手は面白い存在かなと。

北嶋 聖士に関しては、チームの中で数少ないドリブラーとして、スペースがないところでも仕掛けられる技術も持っています。性格もポジティブで、挑んで行く、勇気があるプレーをする。前半はウイングのところでディフェンスの背後をとっていましたし、後半は中に入ってシュートを打っていました。いろんな役割をこなせるので、すごい楽しみにしている選手ですね。

––(記者)小池(純輝)選手は途中からの出場だったんですが、使い方としては右のワイドなポジションでしたが、今後の使い方としてはどうするお考えですか?

北嶋 途中から中に入れたんですが、純輝は今苦しんでいる状態なので、チャンスにハンドをしてしまったり、なんて言うか、彼からは苦しみを感じていて、ヴェルディではウイングのところから得点を量産していたこともあったので、慣れているポジションでプレーさせることが必要かなと考えて、最初はワイドにポジションを置きました。彼にはここは乗り越えてほしいし、試合を決め切る能力がある選手だというのは練習からそう思っていたので、そこはすごく期待しています。

––(記者)監督になってやりがいがある感じですか?

北嶋 いやー、もう大変ですよ。簡単じゃないですよ。0-4での2試合のスタートから、うちの選手はすぐに崩れたりするような男たちではないので、一生懸命やってくれる男たちだから、男として信用しているし、だからこそ彼らを勝たせてやらないといけない責任があります。そうしてあげられないことが、今は本当に申し訳ない。そこの思いは強いんですが、ただ、いろんなものを決めなければいけない時に、「情」というか、そういうものが強い人間なんだとあらためて感じていて、そういうものを捨てていかないといけないんだと強く思っていて、本当の意味で監督にならなければいけないんだという、自分の甘さを消さないといけない。

––(川本)2試合使っていたフォワード(以後FW)2人をこの試合では頭から使わなかったのは、守備の問題があったんですか?

北嶋 もうシーズン前からフォワードには「得点が価値だ」というのは伝えてあったんです。 FWというポジションを守ってくれ、と。過去2試合は決して悪いプレーではなかった。でも練習試合も含めて点が取れなかった。点が取れなかったから使わなかった、というシンプルな理由です。

––(川本)今日の試合は、前線からのプレスが効いていて、ゴールキーパーの廣末(陸)選手はプレッシャーを受けて何度もミスキックをしていました。ああいうように、前線から相手にプレッシャーをかけて、ボールを奪ったらショートカウンターというイメージはあるんですか?

北嶋 そうですね、ずっと3-5-2でやってきたんですが、システムのメリットがあまり出なかったことで、今日は3-4-3に変えて、相手が3バックなので、プレッシャーのところは相手がロングボールを蹴ってくるから、ロングボールを蹴らせないようにプレッシャーをかけて廣末に自由に蹴らせたりしないように、青森は繋ぐのは得意じゃないから、赤井(シャロッド裕貴)はプレスバックも得意ですから。

––(川本)後半になって攻撃が8割くらい左サイドに偏ったんですが、それは意図したことですか?

北嶋 キャラクター的に左には走りたい選手が多いので、4番の相澤(祐哉)が左で仕掛けるとオーバーラップするようになっていた。上野正騎が怪我明けしてすぐなので、チームではまだフィットしていない。彼は、ドリブル突破とかシュートとかいいものがあるけど、この試合をみてもっと違う使い方があるなと思いました。左を2人重ねたことで、遊べる選手がいない。

––(川本)フィニッシュの場面なんですが、ゴールまでボールを運ぶのに意図的なものが見えて、何度もチャンスはあったと思うんですが、なかなかシュートが決まらない。監督としては歯痒さはあるんですか。

北嶋 開幕も、2戦目も、今日もなんですが、絶対に入るだろうという決定機に入らない。これは、どうやって点をといるのかというと、仕組みを整理してやり続けるしかない。個人能力をあげていくしかない。ビビって、足が降れないとか、弱い自分に打ち勝つためには、練習しかないと思います。

〈了〉

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