川本梅花 フットボールタクティクス

【サッカー観戦術/ゲームの流れ】U字型のパス回しを見たら危ない状況だ!

【サッカー観戦術/ゲームの流れ】

U字型のパス回しを見たら危ない状況だ!

ビルドアップの際に、DFの選手がボールを持った時、後方でボールを回しています。そこで注目して欲しいのは、後方で回すボールがU字型のパス回しになっていないかどうかです。「U字型のパス」とは、以下の流れでの経過を辿ります。

右CB→右SB→右SH→右SB→右CB→左CB→左SB→左SH→左SB→左CB

たとえば、GKからビルドアップが行われて、最初にボールを渡されたのが右CBだとします。彼から右SBにボールが渡って、右SHに縦パスが入ります。しかし、相手のプレスが激しくボールを前に運べません。次の選択が、ボールを後ろに下げることでした。右SBにボールが戻されます。右SBは右CBにボールを返します。サイドを変えるために右SBは横の左CBにボールを送ります。こうして以下の図にあるように、左SHまでボールが行き、再びボールが戻されて、最初にボールをGKから受けた右CBに戻ってきました。

一見すると、ボールが逆サイドにまで行って、ポゼッションされて攻撃のチャンスをうかがっているように見えます。しかし、こうしたU字のパス回しは、うまくいっていない時の状態にあるのです。つまり、相手のプレスがハマってボールを前に進めることができていないのです。つまり、相手にボールをもたされている状態にあるのです。ゲームを支配しているのは、ボールを持っている側(攻撃側)ではなく、ボールを持っていない側(守備側)になるのです。

川本梅花

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