川本梅花 フットボールタクティクス

【サッカー観戦術/ゲームの流れ】試合前にチェックすべき3カ条

【サッカー観戦術/ゲームの流れ】

試合前にチェックするべき3カ条

試合前にチェックしておくべき3カ条があります。以下にそれを記します。

①前節から選手の入れ替えがあったどうか。

②ピッチのコンディションはどうなのか。

③どちらのエンドを選択するのか。

まず、①の「前節から選手の入れ替えがあったどうか」を解説してします。

サッカーの通説として「勝っているうちはチームをいじるな」があります。チームが勝っているのだから、「選手を入れ替えたり戦術やシステムを変更したりしない方がいい」と言われます。だから、勝っているチームは、基本的にスタメンを替えたりシステムをいじったりしません。しかし、チームが連敗している時は、話が違ってきます。指揮官は、選手のを入れ替えやシステム変更で、悪い流れを断ち切ろうとします。前節から選手が入れ替わったポジションがあった場合、なんらかのチーム事情が反映されています。前節は起用された選手が、今節はスタメンから名前がない。その理由として、ケガや累積による出場停止か、あるいはコンディション不良や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるものなのか。その場合は、似たタイプの選手を起用します。もし、全く違うタイプの選手が起用された場合、チームの台所事情に合わせて使われたのか、または、戦術やシステムを変更した結果での起用なのか。戦術やシステムの変更ならば、その選手がどんなタイプのプレーヤーなのかを見れば、ある程度は戦術やシステムがどう変わるのかを予測できます。

試合日程が過密な場合、起用する選手をローテーションさせるチームが増えたため、主力選手がスタメンから外された場合でも、コンディション不良やケガからの欠場だと言い切れなくりました。水曜日に試合をして土曜日か日曜日に次の試合がある。中2日か中3日の日程で次の試合に挑むのは、サッカー選手としては相当にハードな状態下でのプレーになります。試合中でのケガなど苦慮するべきことがたくさんあります。だから、前節は控えで75分過ぎから使われた選手が、過密日程を理由にスタメンで起用された時など、その選手によっては大きなチャンスになるのです。逆に、前節出場した主力選手が、今節は控えに回った場合、後半のポイントになる時間帯から起用される可能性が出てきます。

前節から選手をどのように入れ替えたかに注目しましょう。

②の「ピッチのコンディションはどうなのか」に関しては、芝生がきれいに整えられてられているか、あるいはツギハギのように凸凹しているのかどうかの見極めです。これは実際にスタジアムで観戦すると、よく分かります。もしテレビやパソコンから画面からでもピッチコンディションの悪さが分かるようならば、相当にひどい芝生の状態だと断言できます。

ピッチ状態で注目するべき点として、試合前にスプリンクラーで水を大量にピッチに巻いているのかどうかがあります。これには、パススピードを上げるための明確な理由があります。ボールがピッチの上を滑るように走ってくれます。ホームチームのやりたいサッカーが、パスを使って主体的にゲームを支配してゴールに迫る戦い方を選択していれば、想像を超える水がピッチに放出されるのです。

③は「どちらのエンドを選択するのか」です。「エンド」とは、ハーフウェーラインを境にした、両チームの陣地のことです。テレビ画面だと、右側から攻撃をスタートするチームを「右エンド」として逆を「左エンド」と言います。コイントスで勝った方が「エンド」を選べます。負けた方は、キックオフのボールになります。コイントスで勝った方が、「エンド」を入れ替える場合、自然現象と関係があります。「風」がどちらの方向から吹いているのか。または、「太陽」で日差しがどちらからか。自然条件が「風」ならば、風下に立った際には、前に蹴ったボールが風で戻されてしまいます。そのために、最初はボールを相手のフォールドに運びやすい風上を選択します。

「太陽」に関しては、GKが太陽の正面に立ってしまうと、浮いたボールやハイボールを処理する際にボールが見えづらくなってしまいます。コイントスをして勝ったチームの選手が自分たちのGKに確認する場面があったなら、それは「日差しは大丈夫か?」と尋ねているのです。もし、答えが「NO」ならば、「エンド」をチェンジして試合が始まるのです。

以上が試合前に注目するべき3カ条です。この3つのポイントは、基本中の基本なので、観戦法としてとても大事なことなのです。

〈了〉

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