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「川崎と似ている」ホームタウン葛飾のポテンシャル 天野春果(南葛SCプロモーション部部長)<3/3>

今だから語れる「東京2020大会組織委員会の日々」 天野春果(南葛SCプロモーション部部長)<2/3>

1997年の川崎と2024年の南葛を比べてみると?

──中村憲剛の引退後、藁科社長が2022年で退任されて、去年はエグゼクティブアドバイザーの庄子春男さん、そして天野さんもクラブを去りました。川崎フロンターレというクラブで、ひとつのサイクルが終わったように感じられてならないのですが、当事者としていかがでしょうか?

天野 もうひとり、1999年からクラブを支えてきた井川(宜之)も去年で退職しましたね。庄司さんも井川も、J2時代から苦楽を共にしてきて、年月をかけて今のフロンターレを育んできました。そうして考えると、ひとつのサイクルが終わったのかもしれないですね。

──逆に考えれば、四半世紀にわたって同じ顔ぶれで仕事ができたというのも、奇跡のように思えます。他のJクラブだったら、もっと入れ替わりが激しいじゃないですか。あるいは親会社が変わって、スタッフが一挙に入れ替わるとか。川崎にはそういうのが、ほとんどなかった。

天野 そうですよね。よく「クラブのDNA」という言葉を耳にするけど、人間がやることだから、ずっと持続させていくのは難しいですよ。プロモーションに関する手法は、僕がいなくなった後にも活かせるように資料にして残したけれど、それがそのまま受け継がれるわけではない。これはしょうがないことでもあります。それは現場も同じじゃないですか。監督が変わればサッカーも変わりますからね。

──なるほど、確かに。ところで最近、等々力で川崎の試合はご覧になりましたか?

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