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駒沢で実感した「東京にフットボールがある日常」 クリアソン新宿、南葛SC、そしてFC町田ゼルビア

 310日、2024年のJFLが開幕した。この日は駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で開催された、クリアソン新宿vs沖縄SVを取材。JFL開幕試合で2番目となる3585人を集めて行われた(ちなみに最も入場者数が多かったのは、レイラック滋賀vs栃木シティFC4152人)。

 昨シーズンは、条件付きでJ3ライセンスが交付されながらも、15チーム中11位に終わったクリアソン。2年ぶりとなる駒沢で迎える沖縄は、昨シーズンは最下位に終わってVonds市原FCとの入れ替え戦を制し、なんとか全国リーグに踏みとどまった。

 JFL3年目の開幕戦、しかも北嶋秀朗新監督の初陣となるだけに、クリアソンは必勝体制でこの試合に臨んだはずだ。ところが33分にはPKから荒井秀賀に詰められて今季初失点。その3分後にも、GK岩舘直が弾いたボールを池髙暢希に押し込まれ、2点ビハインドで前半を折り返す。後半も沖縄の勢いは止まらず、72分にCKから池髙が2点目、さらに82分には途中出場の伊集院雷もダメ押しゴール。クリアソンの開幕戦は0−4の完敗に終わった。

 昨シーズン終了後の12月、クリアソンの丸山和大代表にインタビューを行っている(参照)。その中で丸山代表は「ピッチ上で結果を出すことにもこだわっていきたい」としながらも「サッカーで結果を出すことだけでファンが増えればいいのかといえば、それは違うと思っています」とも語り、こう続けた。

「極端な話、勝てない試合が続いてもファンが増えていくようなクラブでありたいとも思っています。そうなることで『クリアソン新宿はJリーグで活動するのにふさわしいクラブ』と思っていただけるようになればいいなと思っています」

 確かに、大事なことだとは思う。ただし、この日のような惨敗が続いても「ファンが増えていくようなクラブ」でいられるのか、いささか心配にもなる。J3ライセンスクラブとして、初めて臨む今シーズンは、クリアソンにとってまさに正念場。それだけにホーム開幕での大敗は、少なからずの衝撃を関係者に与えたことは容易に想像できる。

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