宇都宮徹壱ウェブマガジン

前半は迅速、後半は待たされたインタビュー取材 ロング・アフターワード(長いあとがき)<6/8>

 前Jリーグチェアマン、村井満さんへのインタビューは、2022423日から月1回のペースで実施された。

 オンラインで行うこともあったが、基本的には対面でのインタビュー。場所は、さいたま市内にある、村井さんのご自宅である。

 最寄駅を降りてから、浦和レッズのバナーフラッグが並ぶ商店街を抜け、小道に入ってすぐの一軒家。二世帯住宅になっていて、時おりお孫さんの微笑ましい声が聞こえてくる。取材場所として、提供していただいたのが、1階に作られたバー。玄関とは別の入り口があり、まさに「隠れ家」といった雰囲気である。

 さまざまな形のボトルを背にした厨房に村井さん、そしてカウンターを挟んで私と編集者のOさん。バーの客とマスターのように対峙しながら、私の質問にひとつひとつ答えていただく。そんなスタイルが、すっかり定着していた。

 著名人の取材対象にロングインタビューする場合、大きく3つのハードルを乗り越える必要がある。まず、取材対象が所属するマネジメント会社との交渉。そして、インタビューの場所とスケジュールの確保である。

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