宇都宮徹壱ウェブマガジン

新しい版元探し、そして編集者Oさんとの出会い ロング・アフターワード(長いあとがき)<4/8>

村井チェアマン時代のJリーグを描こうとした理由 ロング・アフターワード(長いあとがき)<3/8>

勁草書房『幻のサッカー王国』1998『サポーター新世紀』1999

みすず書房『ディナモ・フットボール』2002

東邦出版『股旅フットボール』2008『フットボールの犬』2009『フットボール百景』2013J2J3フットボール漫遊記』2017

光文社新書『日本代表の冒険』2011

カンゼン『松本山雅劇場』2012『サッカーおくのほそ道』2016『フットボール風土記』2020

エクスナレッジ『蹴日本紀行』2021

KADOKAWA『前だけを見る力』2022構成を担当

 以上が、これまで私が上梓してきた書籍の版元(出版社)一覧である。(5冊以上お読みの方はファン、10冊以上ならマニアと言ってよいだろう)。

 一般的なサッカーファンにとって、あまり馴染みがないと思われるのが、初期の作品を出版した勁草書房とみすず書房。『幻のサッカー王国』は2970円、『サポーター新世紀』は3080円、『ディナモ・フットボール』は2640円(いずれも税別)。どちらも学術的な専門書がメインの「お固い系」の版元で、重厚なハードカバー。このような作りのサッカー本は、今ではまずありえない。

 東邦出版については、一部で「サッカー本のサンクチュアリ」と呼ばれるなど、過去に多くのサッカー本を量産してきた。その多くを手掛けてきた中林良輔さんは、おそらく世界で最もサッカー本を世に送り出してきた編集者だ。私もここから最多4冊を出させていただき、『フットボールの犬』はミズノスポーツライター賞を受賞することとなった。そんな東邦出版は201912月、民事再生法の適用を申請。負債68900万円で倒産している。

 カンゼンは「フットボール批評」の版元で、サッカー本大賞を主催していることでも知られる。ここからは3冊の書籍を出しているが、いずれも歴代の批評編集者に担当していただいた。このうち『サッカーおくのほそ道』は、サッカー本大賞を受賞。この本の担当だった森哲也さんは、のちにエクスナレッジに転じて『蹴日本紀行』でもご一緒させていただいている。

(残り 4700文字/全文: 5650文字)

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