宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料公開】旅のベタ焼き 北海道(2023年9月15日〜19日)

 今週は全社レポートで変則的な日程となるため、新たな企画を立ち上げることにした。題して「旅のベタ焼き(旅ベタ)」である。

「ベタ焼き」とは何か? それはフィルムカメラ時代の「コンタクトプリント」のことで、現像済みのフィルムを印画紙に密着させて原寸プリントを指す。ネガフィルムの場合、ベタ焼きにしたほうがカットを確認しやすいので、当時の写真家は必ずこの手法を用いていた。

 写真展などではプリント作品に混じって、写真家のベタ焼きが展示されることがある。「作品」ではないベタ焼きが、なぜ展示されているのか? それはカットとカットの間から、写真家の視点や思考のプロセスを読み取ることができるからだ。

 デジタル時代全盛時代の今、あえてコンタクトプリント的な写真の見せ方を再現したら、どうなるだろうか? そんな思いつきから生まれたのが、この「旅ベタ」。旅の間、スマートフォンで撮影したカットを時系列で並べることで、自身の視点や思考のプロセスを浮かび上がらせようという試みである。

 デジタルなので、ある程度はカットをチョイスしている。それでも、ノートリミングでノーキャプションというのは、いかにもベタ焼きっぽい。もしかしたら、貴方が知っている場所や人物が映り込んでいるかもしれない。

 というわけで、第1回は9月15日から19日まで訪れていた北海道(函館、札幌、夕張、旭川)。なお、当企画は無料公開とする。感想などを「#WM旅ベタ」でポストしていただければ、うれしい限りだ。

  

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