シーズン移行問題は「ヒダリトモ革命」に何をもたらすか 雪国クラブ社長が今、考えていること(富山篇)<3/3>
■ウインターブレイクでのキャンプでいくらかかるか?
──ここまでのお話に基づいて、ここから「実際にシーズン移行となったら」というテーマで、現状に落とし込みながら考えてみたいと思います。まず、ウインターブレイクが新たに設けられた場合について、左伴さんはどのようにお考えでしょうか?
左伴 先ほども言いましたように、現状と比べて12月と2月に2試合ずつ増えることになります。とはいえ、シーズンを変えるにせよ、変えないにせよ、雪が降ることにかわりはないですよね。ですから、課題そのものも変わらないし、クラブとしてやるべきことも今までどおりであるということは、われわれも自覚しなければならないと思っています。
──ウインターブレイクでの合宿のコストについてはいかがでしょうか?
左伴 Jリーグの案だと、12月の第4週から2月の第1週までがウインターブレイクとなりますよね。これまでだと、1月の中旬くらいから新シーズンに向けて、室内ドームや人工芝で強度を上げてから高知県でキャンプをしています。シーズンを変えるとなると、8月開幕の前にチームビルディングのキャンプを1回、ウィンターブレイクのキャンプを1回、行う必要が出てきます。だいたい1回の合宿で3週間以上だから、1000万円くらい。2回で2000万円になるわけです。
──6000万円のコストカットをしていたクラブにとって、さらに1000万円というのはかなりの負担になりますよね。選手にとっても、ウインターブレイクの合宿は、家族と離れなければならないという心理的な負担がありそうです。
左伴 12月の第3週まで試合があったら、そこから正月3が日まではオフにする感じになると思います。そのあとの合宿は、今とそれほど変わらないでしょうね。確かに家族と離れることになるわけですが、逆にクリスマスと正月は一緒に過ごせることになります。今だとシーズンが終わって、そのあと天皇杯が佳境に入るから、なかなかゆっくりできませんでしたよね。
──確かにそうですね。現時点では、シーズン移行後の天皇杯がどうなるかの言及はありませんが、おそらくこの期間は完全オフということになりそうな気がします。それこそ、わざわざシーズンを変えようとしているわけですから。
左伴 ですからシーズン移行に反対する人は、そういったメリットの部分にも、きちんと目を向けるべきだと思うんです。経営者目線で考えるなら、シーズン移行での一番の問題は、やっぱりウインターブレイクでのキャンプの費用捻出。雪が降らない地域のクラブは、わざわざ暖かいところまで移動する必要がないわけですから。これはアンフェアですよね。
──確かに。これって、お金で何とかできる話にはならないのでしょうか?
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