宇都宮徹壱ウェブマガジン

全社出場ならず! それでも南葛SCが前向きな理由 岩本義弘GM&江藤美帆マーケティング部部長<3/3>

全社出場ならず! それでも南葛SCが前向きな理由 岩本義弘GM&江藤美帆マーケティング部部長<2/3>

「葛飾区の新スタジアム」の進捗と全社予選展望

──南葛SCの話題といえば、昨年は元日本代表の相次ぐ加入がYahoo!トップに載ることが多かったですが、今年はスタジアムに関するニュースがNHKでも報じられたりしていますよね。クラブ単体でどうこう言える話ではないとは思いますが、現時点ではどれくらいの話が進んでいるのか教えていただけますか?

岩本 建設予定の土地を葛飾区が買うという話は、すでに議会でも通っていますし、今年度の予算組みにも入っているので、それがひっくり返ることはないはずです。そこにわれわれがどう関わっていくかについては、これからディスカッションする感じですね。そういう意味では、まだ白紙の状態なんですけれど、遅くとも10年以内には完成する話だと認識しています。

──10年なんて、あっという間でしょうから、今から楽しみですね。

岩本 宇都宮さんには、言わずもがなだと思うんですけれど、われわれのクラブはただ昇格だけを求めているわけではないんですね。将来的にJリーグに入会したとしても、そこがゴールではありません。地域と共に発展しながら、成功するクラブにしていきたいんです。

 葛飾区がスタジアム建設をリアルに考えるようになったのも、南葛が東京都3部から9年かけて関東1部まで上がってきて、「あとひとつ上がると天然芝のグラウンドがなければ試合ができません」というところまで来たからなんですよね。

──その一方で、南葛の知名度を全国レベルに高めたことも、スタジアム建設を後押ししたと思うんですが。

岩本 そうですね。JFLに昇格することだけを考えたら、大卒の無名だけど有望な若手を30人くらい集めたほうがいいのかもしれないですよね。でも、それだと「じゃあ、スタジアムを作りましょう」という話にはならないですよ。稲本潤一とか今野泰幸とか、そういうビッグネームが入ってきたことで、葛飾区の知名度が飛躍的に上がったと思います。もちろん、その前に『キャプテン翼』という存在もあったわけですけど。

──その昇格についてですが、全社予選があと1試合あります。相手は関東2部の厚木はやぶさFCですが、いかがでしょうか?

岩本 簡単な相手は、ひとつもないと思っています。しかも厚木はやぶさは、桐蔭横浜FCに勝っての決勝進出ですからね。その桐蔭横浜FCは、リーグ戦で東京23FC3−2で勝っていて、僕らはその東京23FC0−1で負けているんですよ。

──これはかなり、緊張感をもって臨む必要がありますね。

岩本 選手やスタッフには「ある意味、リーグ戦よりも重要な試合だ」って伝えています。まあ、去年からいる人間ならわかってくれているんですが、今年入ってきた選手には口を酸っぱくして言う必要がありましたね。大前元紀なんかは、最初はよく理解してくれていなかったので「元紀、ここが大事だよ」と念押ししたら、(準決勝の)イトゥアーノFC横浜戦で点を決めてくれました。

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