なぜマスコット総選挙は今年で終了となったのか? Jリーグの「中の人」が初めて語る内部事情<2/3>
■東京ドロンパの不参加をJリーグはどう受け止めたか?
──今回、国立競技場が新しくなって初めての総選挙だったわけですけれど、メリットとデメリットについてはいかがでしたか?
中村 メリットは、やはり立地だと思います。当日のマスコット大集合というイベントの側面で言うと、都心での開催で皆さんアクセスしやすかったと思います。苦慮した点としては、自由に動けるスペースがあまり多くなかったことでしょうか。
──確かに。埼スタや日産に比べればもちろんですが、旧国立はわりとコンコースが広くて、グリーティングも頻繁に行われていましたよね。
中村 今回はコロナ明けから一発目ということもあって、混雑を助長するようなグリーティングは、まだ難しいという判断もありました。
──なるほど。ところで、私はよく地方のJ2やJ3のクラブを取材するんですが、特にJ3クラブですと広報がマルチタスク化する傾向が強いんですよ。広報兼グッズ兼マスコット担当みたいな。ただでさえ開幕に向けた業務が大変な中、総選挙に向けてSNSでどんどん発信していかなければならない。先ほど「マンパワーの有無の差が、そのまま順位に反映されている」という話をしましたが、実際に持たざるクラブには相当な負担になっていたと思います。
中村 それは気になっていました。けれども規模が小さいからこそ、マスコット総選挙という波に乗っかりたいと思うクラブも、一部にはあったんですよね。実際、今回が最後というアナウンスをした時に「何でやめちゃうんですか?」とか「なくなってしまって残念です」いった問い合わせやご意見も、こちらが想像していた以上にあったんですよ。ただ宇都宮さんがおっしゃるとおり、「本当は総選挙まで手が回らない」というクラブがあったとは思います。
──そうしたクラブ側の事情があった一方で、マスコットファンの間でも「総選挙疲れ」みたいなものが指摘されるようになりました。順位をつけるからには、当然ながら下位に沈むマスコットも出てくるわけですが、サポーターからすれば「誰よりもかわいいウチの子」でもあるわけです。本当は順位なんて、どうでもいい話なんですけど、マスコット自身が「●●位で終わってごめんなさい」みたいなツイートをされると、いたたまれない気分になりますよね。
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