宇都宮徹壱ウェブマガジン

新マスコット「モフレム」はどこが新しいのか? グローバルを見据えたガンバ大阪のデザイン戦略

 間もなく佳境を迎えるJリーグ。マスコットという切り口で振り返った時、2022年は例年以上の「当たり年」であった(何やらボジョレーヌーボのような言い回しだが)。いわきFCのハーマー&ドリー、横浜F・マリノスのマリン、そして8月にはガンバ大阪が新マスコット「モフレム」を発表。いずれもクオリティの高さが際立っており、それぞれのクラブの意気込みが感じられるものであった。

 このうちハーマー&ドリーはクラブ初のマスコット、マリンは「マリノス君の姪っ子でマリノスケの妹」という設定。モフレムはというとクラブ2番目のマスコットであるが、どうやらガンバボーイとは血縁関係がなさそうだ。今回はモフレム誕生の知られざる経緯、そしてその斬新さについて、ガンバ大阪の担当者に直撃した。対応していただいたのは、顧客創造部商品事業課グッズ担当で、今回のマスコット製作のプロジェクトリーダーを務めた、石丸広希さんである。

「今回のプロジェクトは、去年の4月から始まっています。ちょうど新エンブレムのローンチが固まったタイミングでした。今季のクラブスローガンは『BE THE HEAT, BE THE HEART 青い炎となり、熱狂を生み出し、中心となる』。デザインにあたっては、スローガンの中の『青い炎』がキーワードとしてありました」

 なるほど、あの独特のフォルムは、実は炎に由来していたのか(ちなみにモフレムの足型も、よく見ると炎の形をしている)。そしてもうひとつ、重要なモティーフとなっているのが、謎の足跡で話題になった、あのUMA(未確認生物)だ。

「もともとガンバというのは、イタリア語で『脚』という意味です。そこから転じて、アメリカのUMA『ビッグフット』から着想を得ました。雪男のようなモフモフ感も、そこからのイメージです。新しいブランドコンセプトやデザインを共に開発してもらったインターブランドジャパン、そしてアニメーション制作会社のモンブラン・ピクチャーズ、そしてわれわれの責任企業でもあるパナソニックスポーツ株式会社との共同開発という形で、モフレムのデザインが作られてきました(参照)

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