Kリーグとブンデスリーガに見る「無観客の風景」どうなる? Jリーグのリモートマッチ<2/2>
<2/2>目次
*ブンデスの取材は記者が10枠、フォトが3枠
*シーチケ払い戻しでの韓国とドイツの対応の違い
*「サッカーが戻ってきたんだな」という実感
■ブンデスの取材は記者が10枠、フォトが3枠
──Kリーグの無観客試合に続いて、ここからドイツの状況について、中野さんにお話を伺いたいと思います。ブンデスリーガが再開されてから、中野さんは現場取材ができていないそうですが、メディアの人数制限はかなり厳格ということですか?
中野 厳格ですね。スタジアムの入場制限が、マックス300人となっていて、代表監督の視察もできないくらいです。取材者に関しては、ジャーナリストが10枠、フォトグラファーは3枠。ジャーナリストだと、日本でいう通信社、それから『キッカー』や『ビルト』といった大手新聞、さらに地元メディアやビジターのメディア、それだけで埋まってしまいます。僕のような外国人は、まず入れてもらえません。
──それは厳しいですね。慎さん、Kリーグはどうでしょう?
慎 そうした制限は、ほぼないに等しいですね。仲の良い記者6人くらいに電話で確認したんですが、2人は普通にソウル近郊の試合を取材していましたし、別の1人は飛行機で済州島まで行っていたのでびっくりしました。普通に監督会見もありますし、選手の取材もできます。ただし選手に関してはミックスゾーンではなく、記者が希望した選手を広報に連れてきてもらって、ソーシャルディスタンスを保ちながら話を聞く感じです。
──なるほど、明らかに韓国のほうが制限を緩めている感じですね。記者が普通に飛行機で移動しているのも、今の日本ではちょっと考えられない状況です。中野さん、ドイツでは移動のリスクについて、どのように論じられているのでしょうか?
中野 ドイツでは長距離列車は動いていますし、車掌もきちんとマスクをしてソーシャルディスタンスには気を遣っている様子です。選手の移動に関しては、チームバスはもともと(乗車席の)間隔が広く設計されているので、そんなに問題はないと思います。練習に行く時、チームメイトの車に乗せてもらうことはよくあるんですけど、少し前まで禁止されていました。今は。同乗者は1人までOKになったと聞いています。
──遠征に関してはどうでしょう? 飛行機を使うことも多いと思うんですが。
中野 もちろん、飛行機での移動もあります。チャーター機を飛ばしたり、座席の間隔を空けたり、そういった対応もしているようです。ただし飛行機の場合、意外と頻繁に換気が行われているので、感染リスクは低いという記事がこっちの新聞に出ていました。
──当然、宿泊先でもいろいろと制限が加えられているわけですよね。
中野 そうですね。可能な限りチーム貸し切りにするとか、ホテルとトレーニング施設、そしてスタジアムのみの移動に限定するとか。いかに感染経路を断つかという点では、かなり徹底しています。ホテルの食事もビュッフェ形式にしないようにしていますし、エレベーターのボタンも手ではなく肘を使うとか、そういったガイドラインまであります。
──トレーニングの内容に関しては、どんな変化を感じていますか?
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