宇都宮徹壱ウェブマガジン

「Jリーグアウォーズにベストマスコット賞を!」 2019 Jリーグのマスコットを語り尽くす<4/4>

「Jリーグアウォーズにベストマスコット賞を!」 2019 Jリーグのマスコットを語り尽くす<3/4>

■なぜ「マスコットサポーターを増やしたい」のか?

──第2部の最後のテーマは「2019年のマスコットの期待すること」について語り合いたいと思います。平畠さんは「海外移籍」と「アウォーズ全員集合」とありますが。

平畠 まず「海外移籍」。よくマスコットが「このオフシーズンに1年契約結びました」みたいなツイートを見かけるじゃないですか。有名なのはサガン鳥栖のウィントスくんですけど、「他所に売られたらどないすんねん!」と思う一方で、活躍の場をヨーロッパに移すマスコットが出てきてもいいと思うんですよね。

──クラブがすぐに手放すことはないと思いますが、日本のマスコットのレベルの高さは折り紙付きですから、向こうでも愛されるのは間違いないでしょうね。もうひとつ、「アウォーズ全員集合」というのは?

平畠 僕は毎年、Jリーグアウォーズに出させていただいていますけど、あのエンディングが大好きなんですよ。天井から色とりどりの風船がたくさん降ってきて、選手たちが会場を一周するじゃないですか。そこにマスコットも全員出てきたら、もっと幸せな気分になると思うんですよね。

──去年はふろん太とカブレラを会場で見つけましたけど、きちんとタキシードを着ていましたね。

井尻 ご存じのとおり、選手は全員タキシード着用が義務付けられているんですね。それでウチは全員分のタキシードをレンタルしているんですけど、平畠さんのアイデアが実現したらどうなるんでしょうね? ヴァンくんとかディーオはいいとして、問題はキヅールですよね。

──それこそ折り鶴の強みで、タキシード色に塗るんですよ(笑)。あるいは蝶ネクタイだけで許してもらうとか? そんな井尻さんが期待することが、「マスコットサポーターを増やしたい」。いかにも井尻さんらしいですね。

井尻 真面目に話していいですか? マスコットって選手と違って、何かあると隅に追いやられることが少なくないんですね。それで立ち位置に悩むマスコットって、実際にいるんですよ。逆に「ヴァンくんに会いに来ました」とか「鹿島サポだけど、ヴァンくんとヴォルタくんのやりとりを見に来ました」と言っていただけると、マスコットもすごく嬉しく思うし、頑張れるんです。つまり皆さんみたいな人たちがもっと多くなれば、マスコットにとっても、もっと活動しやすくなると思うんですね。

──その意味でいうと、マスコットファンは決してマイノリティではなくなりつつあると思います。今日のこのイベントには、110人の方々がチケットを買って入場しているんです。すごくないですか?

大場 しかも今回は、ヴァンくんとキヅールを呼ぼうと思ったんですけど、ひとりでも多くのお客さんに入場していただくために、あえて断念したという経緯もあるんです。

──そうそう、キヅールを呼んだら盛り上がるのは間違いないんですけど、かなりのスペースを塞いでしまうので、断腸の思いでお断りしました(笑)。

井尻 今回のイベントもそうですが、もっともっとマスコットのファンを増やしていって、さらにマスコットが活動しやすい環境を作っていきたいというのが本音です。ウチでも本当はヴァンくんを使って、もっといろんなことにチャレンジしたいんですよ。でも、マスコットのことを理解してくれる方は、まだまだ少数派なんですよね。

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