今こそ「カイザースラウテルンの悪夢」を払拭せよ! 在豪ライター・植松久隆と考える「8.31」日豪戦<1/2>
いよいよ目前に迫った「8.31」日豪戦。ワールドカップ・アジア最終予選で、日本代表はオーストラリア代表を迎える。アンジ・ポステコグルー監督率いるオーストラリアは、それまでの高さや強さに加えてポゼッションにも磨きをかけ、この最終予選は4勝4分け0敗の3位につけている。日本は現在グループの首位だが、2位サウジアラビア、3位オーストラリアとの勝ち点差はわずか「1」。勝てば日本の6大会連続ワールドカップ出場が決まるが、ホームとはいえ決して楽観はできない。
すでにあちこちで語られていることだが、日本はワールドカップ予選でオーストラリアに勝てていない。ここ10年の公式戦でも、90分で勝利したことがない苦手な相手である(東アジアカップは除く)。果たして、今回対戦するオーストラリアは、どのような傾向を持ったチームなのか。日本はなぜ、オーストラリアに苦手意識を持ち続けているのか。現在のオーストラリアに弱点があるとすれば、それは何か。昨年の日豪戦(@メルボルン)に続いて、在豪ライター・植松久隆さんにお話を伺った。(2017年8月23日収録)
<目次>
*ジェディナクに代わってスピラノビッチを招集?
*21歳のマビルは「将来性のある選手」
*オーストラリアにネガティブな報道がない理由
*オーストラリアでコンフェデは盛り上がったか?
*日本はなぜオーストラリアに苦手意識があるのか
*日豪戦のガチンコ勝負はこれが最後?
植松久隆氏提供
■ジェディナクに代わってスピラノビッチを招集?
――早速ですが、本日オーストラリア代表のメンバー23名が発表されました。その前に予備メンバーを含む30名が発表されていたわけですが、削られた7名の中にキャプテンのミレ・ジェディナクが含まれていたのが意外でした。
植松 どうしてもミレの不在にフォーカスが行きがちなんですけど、言ってしまえば十分予想はできたところですね。アンジとしては、ぎりぎりまで様子を見たかっただろうし、信頼もしていたから30名の枠には入っていたんだと思います。
――ミレはケガですか?
植松 ずっとグローイン(ペイン症候群)をやっていて、もうそうとう長いです。サウジ戦の後からだから3カ月くらいですかね。
――試合にも出てない?
植松 出ていないですね。練習にもまだフルでは復帰していない状況です。ですから自分から監督に辞退を伝えたみたいですよ。日本までの長旅と、所属クラブ(アストン・ビラ)のシーズンに備えたいということも含めて。それは監督自身が会見の中で言っていました。
――ずっとミレがキャプテンやっていたわけですよね。代役は誰になるんでしょう?
植松 おそらく普通に考えればマーク・ミリガンだと思いますね。ケイヒルって可能性は無きにしもあらずなんですが、彼は試合の途中から起用されるパターンが多いので。次世代のリーダーとして、セインズバリーという可能性もあり得ますが、普通に考えればミリガンでしょうね。
――前回、オーストラリアにホームで対戦した時は、アンジは中国でプレーする選手を積極的に招集しませんでした。ところが今回、中国勢はマッゴーワンとセインズバリーとスピラノビッチ。これに同じくアジアから横浜F・マリノスのデゲネクが呼ばれました。そのうち3人がDFなんですが、何か理由があるんでしょうか?
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