宇都宮徹壱ウェブマガジン

秋田、埼玉、そしてメルボルンへ 徹壱の日記2016 10月3日(月)~10月9日(日)

10月3日(月)雨のちくもり@秋田~東京

 7時15分起床。朝食をとってからホテルをチェックアウトして、ブラウブリッツ秋田の事務所にタクシーで向かう。雨がポツポツ降り出す中、9時に目的地に到着。まずは秋田の岩瀬浩介代表にお話を伺う。TDKの選手として市民クラブ化を経験し、クラブ広報を経て「最も若いJクラブ社長」に就任している。こうして文字にしてみると、サクセスストーリーに感じられるかもしれないが、内情はいささかショッキングなものであった。この人の話は、いずれ別の原稿にも反映させることにしたい。

 その後、あきぎんスタジアムの一室を借りて、間瀬秀一監督にインタビュー。クロアチアの2部などでプレーし、さらに通訳となるために現地の語学学校で学んだ間瀬さんについては、共通の友人・知人が多いのだが、きちんとお話したのは今回が初めて。思っていた以上に饒舌で、なおかつ自信家。その根底にある人生哲学を引き出すことができた。岩瀬社長と間瀬監督は、まったく異なるキャリアなれど、面白い共通項が見つかったのは大きな収穫。ブラウブリッツ秋田というクラブは、自分の中で今後もウォッチすべきクラブのひとつになった。

 取材後、雨が強くなる中(時おり雷も鳴った)、秋田の広報の方に取材の御礼を申し上げてから市役所で少し雨宿り。2階の食堂で650円の定食で昼食を摂る。13時30分、県庁のスポーツ振興課でこの日最後の取材。秋田のスポーツ事情について行政の立場から意見を聞いた。高齢化と人口減少では日本一。加えて自殺率も高い県にあって、スポーツが持つ意味は大きいという。ブラウブリッツだけでなく、Bリーグのノーザンハピネッツの話も聞くことができた。

 これで秋田でのすべての取材が終了。ホテルで荷物をピックアップしてから、駅でお土産を買って、15時06分の新幹線こまちで東京に戻る。帰りは4時間30分の長旅。ひたすら原稿を書いてから、少しだけ休む。20時30分、帰宅。TVのニュースは台風18合の沖縄上陸と、大隅良典さんがノーベル医学・生理学賞を受賞したことが報じられていた。「他人がやらないことをやるのが研究の醍醐味」という大隅さんの言葉、ジャンルは違えども非常に心に染みた。今日は疲れていたので、23時に就寝。

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