身近なところから「移民」について考えてみる カンボジアから日本に帰化した「翼くん」の物語
(C)Tete_Utsunomiya
今月17日にプノンペンで行われるワールドカップ2次予選、カンボジア対日本にちなんで、今回は少し毛色の変わったインタビューをお届けすることにしたい。インタビュイーは萩原翼さん、30歳。神奈川県の工場で働いている男性である。およそ有名とは言い難い彼に話を聞いた理由は何か? それは翼さんのルーツがカンボジアにあり、その後日本に帰化した「移民」であるからだ。自らもサッカーをプレーする翼さんは、普段は迷うことなく日本代表を応援しているが、9月3日に埼玉で行われた日本対カンボジアの試合では、初めて「どちらを応援すべきか迷った」という。
ナショナリズムと帰属意識というのは、私にとって古くから馴染みのあるテーマだが、最近の関心事として移民・難民が新たに加わった。このところ連日のように報じられているシリア難民に関するニュースは他人事とは思えないし、少子高齢化と人口減少に悩むわが国が積極的に移民を受け入れるか否かの議論も無関心ではいられなくなった。少なくとも、ヨーロッパで現在起こっていることは、決して遠い世界での出来事ではないように感じられてならない。
今回の翼さんのインタビューは、当初「元カンボジア人が語るカンボジア対日本」という主旨でお話を伺うつもりでいた。ところが実際にインタビューを進めていくうちに、「わが国における移民受け入れの実態」とか「われわれは移民とどう接するべきか」といったテーマににわかにシフトしていった。結果として、サッカーとは直接関係ない話のほうが半分以上になってしまったのだが、これはこれで徹マガらしい内容になったとも思っている。おそらく貴方の生活圏内にも、少なからぬ外国人が生活しているはずだ。彼らがどのような思いを抱きながら、この国で生活しているのか。想像する一助となれば幸いである。(取材日:2015年9月19日@神奈川)
■来日から帰化するまで
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