【サッカー人気3位】【浦和を語ろう・激論編】セレッソ戦を前向きに厳しく振り返る…

中野吉之伴フッスバルラボ

【現地取材】名将シャビ・アロンソ監督と神童フロリアン・ビルツが躍動するレバークーゼン。公式戦40戦連続無敗の強さを探る。

▼ 記録的なシーズン

レバークーゼンが止まらない。

今季公式戦40試合連続無敗を記録中。しかもそのうち35勝というのがすごい。負けないだけではなく、ほとんどの試合で勝ち切っているだけにこの力は本物だ。その証拠に終了間際の得点がとても多い。

主導権を握りながら、カウンターからマキシミリアン・バイアーに得点を許した27節ホッフェンハイム戦もそうだった。必死に守ろうとするホッフェンハイムを押し込み続け、88分、そして91分の連続ゴールで試合をひっくり返してしまった。

同日の同時間、僕はボルシアMGとフライブルクの試合取材を訪れていた。試合後のミックスゾーンで日本代表FW堂安律のインタビューをしていると、モニターに映っていたハイライト映像を目にした堂安が思わず聞いてきた。

「レバークーゼン、負けたんすか?」

僕ら報道陣から「いや、それが勝ったんですよ。88分、91分にゴールですって」と伝えられると、思わずうなっていた。フライブルクにしても26節のホームゲームでは堂安のゴールで一度は食い下がったものの、最終的に2-3で敗れている。

このレバークーゼンの強さについて堂安はどう思っているのかを尋ねてみた。

「優勝するチームっすね。完全にこの流れは。最後のクオリティですよね。最後10分で相手の足が止まって、あのクオリティがあれば得点を取れます。あれだけやり続けてくるチームってなかなかない」

27節終了時で2位バイエルンに勝ち点差13をつけて首位を独走。リーグ残り7試合全勝したら、勝ち点は94。12-13シーズン3冠を達成したハインケス時代のバイエルンが記録したシーズン91勝ち点さえも超えることになる。

残り7試合で7勝は現実的ではないかもしれないが、今のレバークーゼンのクオリティがあったら不可能な話ではないはずだ。

今季ここまでを振り返ると、リーグ11連覇中のバイエルンを21節ホームで3-0と一蹴した試合は圧巻だった。結果だけではなく、内容的にもバイエルンを圧倒しての試合だっただけに、カーニバルの季節に最高のお祭りがやってきたと、ファンは試合後何度もチームを讃え続けていた。

《Oh,wie ist es schön》

ファンが歌う。直訳すると《なんて素敵なんだろう!》。喜びを抑えきれなくて、何度もジャンプする年配のファンがたくさんいる。

《Sptzenreiter!Spitzenreiter!》

《首位保持者》と叫ぶ。

この位置は偶然でもなく、そして暫定的なものでもない。ドイツサッカー界に輝かしい記録的な、歴史的な試合をやってのけた。

試合後のスタジアム中から送られる拍手にシャビ・アロンソ監督が応えていた。控室へと戻ろうとするアロンソだったが、キャプテンのGKルーカス・ラデツキーがファンの要望を受けて、呼び戻しに走る。ファンの思いを受け止めたアロンソは1人でではなく、コーチングスタッフ、メディカルスタッフ、アナリストスタッフ全員を呼んだのだ。

この一体感。

ゴール裏でファンからの大きな拍手と声援を受けながら、選手、監督、そしてすべてのスタッフが肩を組んで一緒に飛び跳ねた。

試合後の記者会見でアロンソはこのシーンについて尋ねられると、嬉しそうにこう話した。

「ファンと一緒に喜べるのは素敵なことだった。スタッフと一緒にいったのは、いつもみんなハードに働いているからだよ。選手はみんなわかっている。スタッフみんながどれだけ大事な役割を担っているかを。明日もちょっとはお祝いするだろう。でもまたハードに取り組み続けるよ」

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