【ゆきラボ】ドイツ統一記念日と“橋”の話/後半は食の安全の話
こんにちは!ドイツの日常コラムゆきラボです。
一昨日ドイツは10月3日の統一記念日を迎えました。1990年の東西再統一から34年。前回のこのコーナーで、統一後も残る東西格差の話を書いた直後だけに、ドイツ国籍ではない私でも、なんだかいろいろと考えさせるものがあります。
サッカードイツ代表を追いかけている方には馴染みがあるかもしれない、こちらのドイツ国歌。
短い歌詞の中に「統一、正義と自由」というフレーズが二度登場しますが、同時に「努力する(訳によっては『求める』」という言葉も。原語では“streben”という動詞が使われています。直訳すると「努力する」なんですけど、短期的に頑張る、努力するという感じではなくて、目標や理想が実現するよう努力し続ける、みたいな意味です。
統一も正義も自由も、何もしなくてもただそこに存在しているものではなくて、地道な努力を積み重ねないと維持できないものなんだということを、ドイツ国歌ってちゃんと歌詞に織り込んでるんですね。
第2次大戦中のドイツ国民にとっては、自国が負けて2つの国に分けられ、行き来もままならなくなるなんてことは恐らく想像しづらかったでしょう。
冷戦真っただ中の東西ドイツ国民にとっては、東西が再び一つの国になるなんてことも、多分夢みたいな話だったでしょう。
再統一された後の現在のドイツですが、数十年後に今からは全く考えられない姿になっていることだって充分あり得ますし、それはドイツに限らず、日本にも、世界の他のどの国にも言えることでしょう。今あるものが大切だと思うなら、それを維持するために1人1人ができることを愚直に積み重ねていく以外の道はないんだろうな、と思っています。
ベルリンのランドマーク、オーバーバウム橋
ところで、今年の統一記念日はたまたま木曜日になっています。木曜日が祝日になった場合、学校では間の金曜日も休みにして、土日とつなげて4連休を作ることがあります。こうやってできた連休をドイツ語で“Brücke=橋”といいます。今年の統一記念日はこのBrückeになるので、学校が休みになる子どもはもちろん、大人も合わせて休みが取れる職場環境なら、Brückeはお休みが増えてラッキー!……と言いたいところですが、良いことばかりではありません。実はドイツには振替休日がないのをご存知でしょうか。統一記念日がもし週末に重なっても、週明けの月曜日はお休みにはならないのでした。だいぶ先の話ではありますが、2027年の統一記念日は日曜日です。ちょっと損した気分……
後半は、ドイツでの食の安全の話を書きます。ちょっとした現地情報ではありますが、健康に関わる大事な話なので、ドイツに滞在する方には一人でも多く読んで頂きたく、今回は後半部分も無料にします。ぜひ最後までおつきあいください。