中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】「大麻合法化」に舵を切ったドイツ。麻薬ゼロを目指さない「ハーム・リダクション」とは

こんにちは!4月に入って最初のゆきラボです。4月に入ってすぐ、エイプリルフールか?と思うような大事件が持ち上がり、更新が少々遅れました。大事件の詳細については、書けるようになったらここで少しずつ文章にしていこうと思っています。

さて、この4月からのドイツ社会の変化といえば「大麻の解禁」です。今年の4月1日から、成人(18歳以上)かつドイツに居住している者の、嗜好目的での大麻の所持・消費・自家栽培が合法化されました。もちろんこれには様々な規制があるので、解禁されたからといって、タバコやアルコールのように気軽に買ったり消費したりすることはできません。そもそも、それほど気軽には買えないようなお高めの値段設定になっているらしいです(具体的にいくらなのかは知りませんが)。

イメージ https://www.photo-ac.com/

今回定められたのは、

・合法的に所持・栽培できる量には制限がある
・購入できるのは合法的に大麻を栽培し、品質と消費を管理する認可団体からのみ
・未成年者がいる公共空間や、その近辺(学校、保育園・幼稚園、公園、スポーツ施設)での使用は禁止
・歩行者専用エリアでの歩きながらの大麻使用は日中は禁止。夜間のみOK
・栽培する場所にも制限あり。自宅の庭や、学校、保育園・幼稚園、公園などの周辺での栽培は禁止
・未成年者への譲渡や販売は以前よりも厳罰化

などなど。なお、大麻合法化の対象となるのはドイツに在住している人のみですので、ドイツに旅行に来たついでに試してみようかなー、などとは間違っても絶っ対に思わないでくださいね!!!

今回の合法化は、社会の中にすでにある程度流通してしまっている大麻を管理・監視できるシステムを作ることが目的です。非合法な物品の売買は、反社会的勢力に利益をもたらしてしまったり、危険な粗悪品が流通したり、薬物をめぐるトラブルの温床にもなります。大麻をコントロール下に置くことで、非合法な売買を減らし、消費者(特に若者)の安全を確保しつつ、ブラックマーケットや薬物関連の犯罪を減らすための政策とのこと。賛否両論ある中で実施に踏み切ったのですから、本当に実効性があるのかどうかはこれから注視するべきでしょう。

大麻は、判断力や、細かい作業・複雑な作業を行う能力を低下させるので、お酒の「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」と同じく「吸ったら乗るな、乗るなら吸うな」であるべきです。ですが、道路交通法の改正など、具体的にどの程度の大麻成分が血液から検出されたら罰せられるのか、その程度の量刑が科せられるのかは今後ドイツの国会で審議されるのだとか。先に法整備してから大麻解禁したほうが良かったんじゃないでしょうか……。

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