中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】このところのドイツ生活、困った話、深刻な話

こんにちは!12月最初のゆきラボです。

12月1日、フライブルクの街に初雪が降りました。数日前から、遠くの山々がうっすらと白くなっているのは見えていたのですが、街の中ではっきり白いものが舞うのを見たのは今日が最初です。

せっかくなので冬らしい風情のある話をしたいところですが、今回のゆきラボは風情のない困った話から始めさせてください。

イメージ https://www.photo-ac.com/

11月の初旬にスパムメールの話を書きましたが、そこから1か月ほどして、仕事で利用しているオンラインサービスから非常によくできたスパムメッセージが届きました。高額の宝くじが当たったとか、楽な副業で年収一千万とか、即スパムだとわかるようなものではなく、オンラインサービス上での障害発生のおわびと対応案内を装った、かなりよくできたメッセージでした。ちょうど仕事でバタバタしていてあまり余裕がない中、本当に障害発生ならさっさと処理してしまいたい気持ちと、何か違和感があるのでこのまま進んではいけないという気持ちとで葛藤した結果、たかだか1件のメールの処理でずいぶん気疲れしてしまいました。

こうやって、いちいち届くメッセージの安全を確認しながらでないと物事が進まないなら、しばらくオフラインの仕事しかしたくない、なんなら仕事休んでネットの入らないところで現実逃避していたい、……という気分になってしまった一件です。

毎月Amazonが家まで米を配達してくれるのはありがたい。定期おトク便で購入しています

困った話、お次はインフレの話です。ゆきラボでたびたびこぼしている物価上昇の話、またか!と思われた方はすみません。しかし、今回はいつも購入している10kg入りの米が、1か月で一気に6ユーロ値上がりしたんです。6ユーロですよ6ユーロ。何度見ても値上がりしてる。今のレートだと一気に1000円の値上がりです。食べ盛りの男子が2人いるのに……泣く泣く銘柄を変えました。

今回のゆきラボはこんな調子で、昨今の困った話、不穏な話、そして困ったどころの騒ぎではなく、深刻に危機に瀕している話を書いていきます。

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巷の経済ニュースでは、物価の上昇傾向は収まりつつある、ということになっていますが、一消費者目線としては、それ、ほんとですか?と思いたくなる米価の値上がりです。パンではなく米というあたり、平均的なドイツの食卓には影響は薄くとも、我が家の食卓は直撃をくらっています。

経済の話で言うと、ドイツのGDPが日本のGDPを抜き、日本は世界4位に、というニュースが少し前に日本の報道を賑わせていました。が、それも一生活者の肌感覚から言うと、ドイツの景気が良いという実感は全くないし、むしろ経済の見通しは悪く、悪影響が出ているところも多いのではないかという感覚のほうが強いです。

GDPをどうこう言う前に、まずイスラエル軍によるパレスチナ・ガザへの侵攻が続いていますし、その陰に隠れてはいるものの、ロシアとウクライナの戦争も全く終わりが見えませんし、難民の数も増えています。クリスマスシーズンを迎え、街のあちこちでイルミネーションがキラキラしてはいるものの、一方で、荒んだ気持ちや排外的な気持ちをくすぶらせている人も確実にいるようです。実際にそれが殺傷事件に繋がったり、テロ未遂として逮捕されるようなケースも出てきています。

オランダ、また行きたい

反移民を訴える極右政党AfDが支持を伸ばしているのも、移民である私たち日本人にとっては気分のいいニュースではありません。つい先日、お隣のオランダで、極右政党が総選挙で大勝したのも衝撃的でした。夏に家族で旅行したオランダは、風景の美しさもさることながら、とてもオープンで、多様で、活気があって、豊かな気持ちになれる場所だと感じていたのですが、数日間旅行者として滞在しただけでは、結局は良いところしか見えていなかったのかもしれません。排他性や不寛容の対極にあるような国だと思っていたのですが、移民・難民の受け入れや、EUの政策に対する不満や不安を抱えている有権者がいて、しかもそれが決して少数派ではないという事実を、重く受け止めています。

後半も経済に関連して暗めの話が続きますが、よろしければお付き合いください。

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