中野吉之伴フッスバルラボ

【きちルポ】学の前に人を知ることの大切さ。無理に友達100人作りよりも、100通りの人との付き合い方を知る方が大事

▼ 本質を学ぶために大切なこと

今年も早いもので12月、師走となった。年の瀬へ向けての日々は1年を通してもなんだか特別な感じがする。いろんなことに思いを馳せる。

ここ最近、ドイツを飛び出して他国に学びに行っている。10月にオランダ、11月にはオーストリアとハンガリーへ向かった。

仕事として取材活動の一環というのはあるけど、その前に他国のスポーツ現場、教育の取り組み、生活とスポーツ、学校の関係性というのを学びたいという思いの方が強かった。

現地へ足を運び、現地で地に足をつけて活動されている方に話を聞いて、質問をぶつけて、自分の中にある価値観を再構築する。その過程はとても刺激的で、意義深くて、学びが多くて、そして何より楽しい。

どの国の、どの地域の、どの分野の、どのジャンルの人と話していても共通するものが必ずある。そこに触れ合えたときの感触はとても素敵だ。

学ばなければならないとみんながいる。
一生懸命学ぶようにしていますとみんながいう。

世界には様々な専門学がある。サッカーの世界であれば何があるだろう。

戦術理論、チームビルディング論、指導学、教授学、コーチング学、臨床心理学、集団心理学、栄養学、経営学、スポーツビジネス論、リーダーシップ学、スポーツマネジメント学などなど

それぞれの論や学には流派や思考、解釈で異なる見解が生まれる。どれも奥が深い。違う考えがあればディスカッションが起こり、その中でまた新しい発見がされていく。

でも、長くその専門を学んでいる人だからその言葉が響くというわけではない。知識としては素晴らしいし、理論的にもとても整理されている。論理性があって説得力だってすごい。でも信頼しきれないなんてことがある。結構ある。

本当に大事なことを学ばないままそれぞれの知識だけをえようとしていないだろうか?

僕らは何よりも《人》について学ばなければならないのだ。なのにそれが欠けていることが往々にしてある。

どんな学問を選択するにせよ、どんなジャンルで働くにせよ、その根底で《人》を知ることなく、最大限に活用することはできない。

人はなぜ人なのか。
人が持つ人間性とはなんなのか。
感情が生まれるのはどうしてなのか。
人が人と過ごすために必要なことはなんなのか。

思考はどうして生まれるのか。
思考はどのように知識を知恵とするのか。
心が絶えず変化するのはなぜなのか。
一定の人とうまくいったり、いかなかったりするのはなぜなのか。

人はどのように経験を積み重ね、
どのように失敗を乗り越え、
どのように理不尽を整理し、
どのように次の道を切り開き、
どのように未来への視野を作り出すべきなのか。

人は営みの中に何を求めて暮らしているのか。

僕らはどうすれば幸せに暮らすことができるのか。

そこへの視点がないと、経済学も、情報工学も薄っぺらいものにしかならない。
歴史学も、国際関係論も、文化人類学も意味をなさない。

(残り 2046文字/全文: 3235文字)

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