中野吉之伴フッスバルラボ

【TR】ミニゴール4つゲームをやり続けたら子どもたちが劇的に成長していた話

▼ 3か月前から劇的な成長

トレーニングプランは長期的、中期的、短期的な視点で組むことが大事。

ことサッカーの基本に取り組むためには何が最適かというと、それぞれの成長・成熟レベルと年代に最適化した人ずつとサイズとルールによるゲーム。

《ボールを投げてインサイドで蹴り返して》《向かい合ってインサイドでパスして》《延々とリフティングをして》を完全否定するつもりはない。トレーニングの一環として取り上げることは全然問題ない。

でもサッカーの基本を身に着けるのに最適ではないとは思っている。

特にフニーニョは3対3+ミニゴール4つの形式で、サッカーを始めたばかりの子でも、幼稚園児でも無理なく難しく考えることなくサッカー要素と向かうことができる形として優れているし、応用がしやすい形式だ。

それこそ今季監督として携わるU14/15セカンドチームは経験ある指導者の下でサッカートレーニングをしたことがない子がほとんどだ。それこそボールを止めて蹴る、味方を探す、ゴール方向へ運ぶということもおぼつかない子だっていた。

チームとして本格始動したのが9月15日ごろだったが、そのころはシンプルなパス練習にも戸惑いを見せるほど。《パスを出したら、パスを出したところに移動》というルールがすんなり頭と体に入ってこないから、一つ一つのプレーに時間がかかる。

狙ったはずのパスがあさっての方向にいっちゃったり。ドリブルで運んできた味方によってボールを奪おうとしちゃったり。味方なのに!

チーム戦術とかゲームプランとかそういうことを口にしたところで全く共有できない状態だから、《基本がなってない》と認識して、基本練習に立ち返るのは当然の帰結。

で、僕がとにかくやり続けたのが4つミニゴールのゲーム。前述の基礎トレーニングはほとんどやってない。

4対4でトーナメント形式
5対5+2フリーマン
4対4で4フリーマン
6対6でフリーマンがミニゴール間に立つ

などなど。

最初はごちゃごちゃしたサッカーになることもよくあったけど、1カ月もたつと徐々に味方との関係性を考えながらのポジショニングやプレー選択をする子が増えてきた。2カ月もたつと相手の配置を見ながらコーチングをしたり、いつボールを前に運べるべきかということを意識する子が増えてきた。

先日のトレーニングでは僕が何も言わなくても子どもたちの間で「ボールをもらえる位置に動こうよ」「詰まってるからさがてサイドを下げようよ」「相手の裏スペースへ行けたよ」というサッカーコミュニケーションを取りながら、見事なサッカーを見せてくれた。

そこで前回のトレーニングではちょっと難易度をあげたトレーニングを試してみた。

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